金星周回軌道投入まで1か月を切った「あかつき」

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探査機「あかつき」の金星周回再挑戦まで1か月を切った。「あかつき」は12月6日の昼に姿勢変更を実施し、翌7日に金星周回軌道へ投入される予定である。

【2015年11月11日 JAXA

金星探査機「あかつき」は2010年5月に打ち上げられ、同年12月に金星周回軌道への投入を目指したものの当時は成功しなかった。それから5年後となるこの12月、「あかつき」は再び金星に挑む。

この5年間で4回の軌道修正を行った「あかつき」は現在、太陽を周回する軌道を飛行している。そしていよいよ、12月6日(日本標準時、以下同)の昼に姿勢変更を実施し、12月7日午前8時51分過ぎに姿勢制御用エンジン4基を噴射して金星周回軌道への投入を行う。

約3時間後の12時にはエンジン噴射結果が明らかになり、7日から9日にかけて軌道投入の成否が確認される。正式な発表は9日18時となる予定だ。

金星周回軌道投入時の軌道図
金星周回軌道投入時の軌道図(太陽中心) 。クリックで拡大(提供:JAXA)

「あかつき」によるミッションの目的は、金星の大気の運動をグローバルに観測し、大気循環メカニズムを解明することだ。

地球と金星は大きさがほぼ等しく、太陽からの熱入力も大差がないが、気象は大きく異なる。たとえば金星には、「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速約100mにも達する高速風が吹いている。「あかつき」は、こうした高速大気大循環がなぜ起こるのかをはじめ、全球を隙間なく覆う雲がどの様なメカニズムで作られるのか、氷晶の生じない大気にも雷は起こるのか、活火山は存在するのかなどを調べ明らかにする予定だ。


「はやぶさ2」地球スイングバイも要チェック!

「あかつき」が金星周回に挑む4日前の12月3日には、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球スイングバイを行う。「はやぶさ2」特集ページでは、ステラナビゲータやモバイルアプリでスイングバイの様子を再現する方法などを紹介している。

【特集】PCソフト、モバイルアプリのシミュレーションで「はやぶさ2」と旅する

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