月・火星・隕石…大阪万博天文的見どころ(1):アメリカ・中国・日本・スイス編

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現在大阪府にて開催されている「大阪・関西万博」には、宇宙や天文にまつわる展示が点在している。今回は、アメリカ・中国・日本・スイスの展示を紹介しよう。

【2025年6月6日 星ナビ編集部

現在、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が大阪府大阪市の夢洲にて開催中だ(10月13日まで)。大阪での万博といえば、55年前の1970年に行われた大阪万博では「アポロ12号が持ち帰った月の石」が大きな話題となったが、今回の万博でも、宇宙開発や天文にまつわる展示が多く見られた。その一部を紹介していこう。

アメリカパビリオンでは、アポロ計画からアルテミス計画までの宇宙開発の流れを、展示や派手な映像体験で楽しめる。箱状の部屋「Cube」では迫力満点の宇宙の旅が楽しめる。新型巨大ロケット「スペース・ローンチシステム(SLS)」や「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」の解説や模型も見どころ。さらに今回も「アポロが持ち帰った月の石」が展示されている。大人から子供まで、アメリカの歴史や文化、宇宙がより身近になることだろう。

アメリカパビリオン
(左)展示の最後にあるのが目玉でもある「アポロの月の石」。今回は「アポロ17号」の月の石で55年前の石とは別物。(右)横3画面+上1画面での映像が楽しめる「Cube」でのロケットの打ち上げの様子。地球を離れ、月や惑星、他の銀河へと旅していくストーリー。映像の中では探査機や宇宙望遠鏡なども登場、見るところが多くて目が追いつかない!

現在の宇宙開発を担う大国の一つといえば、中国。中国パビリオンには、月面探査機「嫦娥5号」「6号」が持ち帰った月の石が展示されており、間近で見ることができる。また、中国人宇宙飛行士のインタビュー映像やダイナミックな宇宙開発の映像もある。

中国パビリオン
「嫦娥」が持ち帰った月の裏側と表面の石。月の裏側の石を持ち帰ったのは「嫦娥6号」が世界初。中国パビリオンでは、二十四節気や時の流れをテーマにした大型映像も見どころ

日本館の目玉の一つは「火星の石」だろう。また、小惑星「リュウグウ」「イトカワ」のサンプルや小惑星探査機「はやぶさ」の再突入カプセル、月面探査機「SLIM」の展示も。展示の中にドラえもんやハローキティなどの国民的キャラクターが登場するのも見どころだ。

日本館
(左)月面探査機「SLIM」の展示。日本の伝統技術と最新技術を並べた展示が新しい。(右)火星の石は南極観測隊によって発見されたもの。両手でギリギリ抱えられるほどの大きさだ。火星の石の欠片を実際に触れるコーナーもあり、多くの人が並んでいた(提供︓経済産業省)

「アルプスの少女ハイジ」が公式キャラクターの スイスパビリオンでは、期間限定で宇宙関連の展示が行われている(6月10日まで)。ここでは、木星の氷衛星を目指す「JUICE」や長周期彗星探査計画「コメットインターセプター」に搭載されている機器を見ることができる。さらに、質量分析計「ROSINA」の測定から再現した「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の香り」を実際に嗅ぐことができる。どんな匂いがするかは、実際に行って体感してみてほしい。

スイスパビリオン
(左)「コメットインターセプター」に搭載されている質量分析計。「JUICE」や「コメットインターセプター」はESA(欧州宇宙機関)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)による共同プロジェクトだ。それぞれの分析計はミッションに合わせて、特別に設計・製作されている。(右)「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の香り」

大阪・関西万博には、今回紹介した以外にも宇宙関連の展示が満載。人気のパビリオンは事前の入場申し込みが必要な場合もあるので、出かける前にチェックするのがおすすめ。詳しくは星ナビ2025年8月号(7月4日発売)にて紹介予定だ。