AstroArts Topics

恒星・銀河

50億光年彼方のクエーサーの中心ジェットを高解像度観測

2020/04/14
史上初めてブラックホールの撮影に成功した「イベント・ホライズン・テレスコープ」が同じ時期に行っていた観測で撮影した、50億光年彼方のクエーサーの中心で輝くジェットの高解像度画像が公開された。

20分周期で公転するヘリウム白色矮星連星

2020/04/08
公転周期がわずか20分という白色矮星同士の連星が発見された。将来の宇宙重力波望遠鏡で検証用の重力波源天体として利用できそうだ。

中間質量ブラックホールの決定的証拠をHSTで確認

2020/04/06
存在が議論される中間質量ブラックホールについて、「潜伏先」の一つとされる天体をハッブル宇宙望遠鏡が高解像度で観測した。その結果、天体が8億光年彼方の星団であることが判明し、そこに太陽5万個分の質量を持つブラックホールが潜んでいることがほぼ確実となった。

重力レンズで110億光年彼方の銀河中心核にズームイン

2020/04/02
110億光年彼方にあるクエーサーの観測で、銀河中心の超大質量ブラックホールから数万年前に誕生したとみられるジェットが吹き出し、周囲の星間ガスを揺さぶっている様子がとらえられた。進化の初期段階にある銀河でもジェットが星の材料を押し流し銀河の進化に関わっていることを示す成果である。

野辺山45m電波望遠鏡の電波地図から見えた星形成の現場

2020/03/30
国立天文台野辺山宇宙観測所の45m電波望遠鏡の広い視野を活かし、太陽系近傍の3つの星形成領域を世界最高級の解像度で描いた広域の電波地図が作成された。

太陽が2つある惑星の回り方

2020/03/27
これまでに行われた系外惑星の捜索では、2つの恒星からなる連星系の中でも惑星が見つかっているが、いずれも惑星の回転と恒星どうしの回転の軌道面が一致している。だがアルマ望遠鏡の観測結果によれば、恒星の間隔が離れた連星系では軌道がかなり傾いた惑星も生まれているようだ。

生まれたての巨大ガス惑星は落下の運命を避けられる

2020/03/25
木星やそれ以上に大きなガス惑星の形成を再現しようとすると、従来の理論では生まれてすぐに中心星へ落下してしまう。この問題を解決し、現実に太陽系外で発見されている巨大ガス惑星の質量や軌道を説明できるモデルが提唱された。

天の川銀河外縁部の分子雲衝突候補天体の距離を精密測定

2020/03/18
天の川銀河の外縁部に位置する星形成領域「IRAS 01123+6430」までの正確な距離が測定され、従来の見積もりより約7000光年遠いことが明らかにされた。

鉄の雨が降る惑星

2020/03/17
地球から640光年離れた系外惑星で、摂氏2400度に達する昼側の大気に蒸発した鉄が含まれることを示す観測データが得られた。1500度と比較的「涼しい」夜には鉄がなくなるので、昼から夜に切り替わる部分では鉄の蒸気が雨となって降り注いでいるようだ。

ほんの60年前にジェットを噴出して変身し始めた老齢の星

2020/03/10
アルマ望遠鏡による、老齢の星を含む連星系の観測で、星から噴き出すジェットとその周囲の物質の分布が描き出された。わずか60年ほど前に噴き出したジェットによって星周囲のガス雲の形状が変形している様子が、高解像度でとらえられている。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

天の川銀河の歪みの原因は矮小銀河の衝突かもしれない

2020/03/09
位置天文衛星「ガイア」のデータ解析から、天の川銀河の円盤に見られる歪みは、過去に矮小銀河と衝突した痕跡である可能性が示された。

次第に加速する、M87から噴出するジェット

2020/03/09
楕円銀河M87の中心の超大質量ブラックホール近傍から噴出するジェットが加速する様子が、超高解像度の電波観測により明らかにされた。

新型宇宙線望遠鏡で極高エネルギー宇宙線の観測に成功

2020/03/06
京都大学などの研究グループが、宇宙空間で最大のエネルギーを持つ「極高エネルギー宇宙線」を新開発の望遠鏡で観測することに成功した。この極高エネルギー宇宙線を今後さらに広い範囲で定常観測し、その発生源を突き止めることが期待される。

ブラックホールからの最強のジェットで作られた銀河団内の空洞

2020/03/05
X線と電波による観測から、へびつかい座銀河団に巨大な空洞が存在していることが確認された。銀河団中心の銀河に潜む超大質量ブラックホールから噴出したジェットで形成されたとみられ、現象のエネルギー量はこれまでの記録より5倍も大きい。

重力波望遠鏡「KAGRA」が観測開始

2020/03/03
2019年秋に完成した大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が2月25日、重力波観測のための連続運転を開始した。

ソンブレロ銀河のハローには金属欠乏星がほとんどない

2020/03/02
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、ソンブレロ銀河のハローには低金属星の割合が非常に小さい一方、金属の豊富な星の割合が予想以上に高いことが示された。典型的な渦巻銀河に見られるものとは異なる傾向だ。

オリオン座に潜む赤ちゃん星たちのポートレート

2020/02/28
オリオン座の星形成領域にある300個以上の原始星がアルマ望遠鏡などによって観測され、星を取り巻くガスと塵の円盤が高解像度でとらえられた。星や惑星の誕生メカニズムを研究するうえで重要な手がかりとなる。

予想以上に強い原始銀河団からの赤外線放射

2020/02/27
すばる望遠鏡と5機の赤外線天文衛星の観測データから、約120億年光年彼方の原始銀河団に見られる赤外線放射が予想よりも強いことが明らかになった。原始銀河団に激しく星形成を行う銀河や成長中の超大質量ブラックホールが潜んでいる可能性を示唆する結果である。

減光とともに形も変わったベテルギウス

2020/02/21
昨年末から暗くなっているベテルギウスの姿を撮影した最新画像が公開された。わずか11か月の間に星の表面の形が変化している様子がとらえられている。

矮小銀河のストロンチウムは4種の天体現象で作られる

2020/02/20
矮小銀河で観測されるストロンチウムのような重元素の組成を説明するには、少なくとも4種類の天体や現象が必要であることが、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションで示された。