AstroArts Topics

恒星・銀河

宇宙線電子加速の「はじめの一歩」のメカニズムを解明

2020/02/19
地球近傍の衝撃波のデータを用いた研究により、電子加速の新理論モデルが実証された。このモデルを超新星残骸衝撃波に適用することで、宇宙線電子加速の「はじめの一歩」のメカニズムが明らかになった。

直接撮像で迫る太陽系外巨大ガス惑星と褐色矮星の形成過程

2020/02/18
ケック望遠鏡とすばる望遠鏡による高解像度の直接撮像観測とモデル計算から、主星から遠い巨大ガス惑星と褐色矮星とが異なる軌道の特徴を示すことが明らかにされた。それぞれの形成過程の違いを反映している可能性がある。

宇宙に物質しかない理由を重力波で探る

2020/02/12
宇宙の物質と反物質の偏りを生んだ起源として提唱されている「右巻きニュートリノ」仮説を重力波観測で検証できるという理論が発表された。

宇宙の大規模構造の複雑な統計パターンを高速予言、人工知能ツール「ダークエミュレータ」

2020/02/12
宇宙の構造形成シミュレーションを元に構築された大規模なデータベースを学習した、人工知能フレームワーク「ダークエミュレータ」が開発された。任意の宇宙モデルにおける宇宙の大規模構造の観測量を正確かつ高速に予言でき、実観測データから宇宙の根源的な情報を素早く引き出すことが可能となる。

連星系で作られた美しいガスの広がり

2020/02/10
連星系を構成する2つの星が織りなす、美しいガスの広がりが撮影された。年老いて大きく膨らんだ星のガスの広がりにもう一方の星が取り込まれ、そのガスが宇宙空間にまき散らされて作られたものだ。

単純な化学反応から生命が生まれうることを宇宙論で実証

2020/02/07
生命科学と宇宙論とを組み合わせた研究で、単純な化学反応から生命が誕生する可能性が検討された。非常に低確率ながら、宇宙の広さを考えればどこかには発生しうるが、その生命と私たちとが出会う可能性は極めて低いようだ。

赤外線天文衛星「スピッツァー」の運用終了

2020/02/04
2003年に打ち上げられたNASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」が、16年以上にわたる観測ミッションの幕を閉じた。

TRAPPIST-1の地球型惑星は一度大気を失い、回復した

2020/02/04
地球サイズの惑星を7個持つTRAPPIST-1の惑星の大気は、地球大気などど同様に天体衝突や火山活動などで二次的にもたらされたものである可能性が高いという研究結果が発表された。

超高輝度超新星SN 2006gyの正体を解明

2020/01/31
2006年に出現した超新星SN 2006gyは、通常の10倍以上明るく輝いた特異な天体だ。最新理論によるモデルから、その正体が従来考えられていたような大質量星の特異な爆発ではなく、Ia型超新星らしいことが示された。

彗星と星形成領域にリンを含む分子を検出

2020/01/30
大質量星形成領域の観測データと彗星の探査データから、星形成領域と彗星の両方に一酸化リンが存在していることが示された。生命に必須の元素が作られてから地球にもたらされるまでの過程をつなぐ結果である。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

重い原始星が吐き出す「熱の波」

2020/01/30
質量の大きい原始星の観測で、星への爆発的な物質降着によって発生した「熱の波」が発見された。間欠的な降着によって原始星が大量の物質を獲得するという理論を支持する成果だ。

天の川銀河のハローに潜む想像以上に高温のガス

2020/01/23
天の川銀河を取り巻くハローには温度が異なる3つのガス成分が存在し、そのうちの1つはこれまで考えられていたよりも10倍も高温であることがX線観測で明らかになった。ハローの化学組成が予測とは異なることも示されている。

合体銀河の超大質量ブラックホールを取り巻くガス

2020/01/21
衝突が進行中の2つの銀河それぞれの中心にある超大質量ブラックホールを取り巻く分子ガスの詳細な構造が、アルマ望遠鏡によりとらえられた。銀河やブラックホールの成長を理解するための大きな手がかりとなる。

重力レンズ効果を用いた新手法で宇宙膨張率を測定

2020/01/16
重力レンズ効果の影響を受けたクエーサーの観測により宇宙膨張率が求められ、初期宇宙の観測から得られる膨張率に比べ、局所宇宙の膨張率が予想以上に速いことを示唆する結果が改めて高い確実性で得られた。

宇宙の錬金術を観察するカギ、赤外線域の吸収線を多数同定

2020/01/15
赤外線スペクトルに現れる吸収線の系統的な調査研究から、9種類の重い元素によって生じる23本の吸収線が同定された。中性子星連星の合体などで生じる元素がどのように宇宙で増加してきたのかを探るための貴重な観測指標となる。

ビッグバンから7億年後、観測史上最遠の銀河群

2020/01/14
ケック天文台などの観測により、ビッグバンから6億8000万年後の初期宇宙に3個の銀河を含む銀河群が発見された。銀河群としては史上最遠の天体となる。

史上2例目、反復型高速電波バーストの源を特定

2020/01/14
短時間の電波放射を起こす謎の現象「高速電波バースト(FRB)」の発生源が約5億光年彼方の渦巻銀河と特定された。何度もバーストを起こす反復型FRBの母天体がわかったのは世界で2例目だ。

光速の99%以上、M87のブラックホールからのジェット

2020/01/09
巨大楕円銀河M87の中心に存在する超大質量ブラックホールから噴出するジェットがX線で観測され、噴出する粒子の運動速度が光速の99%以上であることが確かめられた。ジェットの見かけ上の速度は、最大で光速を約6倍も超えている。

ハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星

2020/01/08
系外惑星探査衛星「TESS」が、約100光年彼方の恒星の周りに3つの惑星を発見した。そのうち1つはハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星とみられ、このタイプの惑星発見はTESSとしては初めてとなる。

重力レンズの助けなしで発見された最遠の星形成銀河

2020/01/07
アルマ望遠鏡による高感度観測で、ビッグバンから9億7000万年後という初期宇宙に存在した銀河の光がとらえられた。重力レンズの助けを得ることなく観測された天体としては最遠の星形成銀河だ。