編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2004年3月

 正月に田舎に帰省した。私の田舎は北陸にある人口約7万人の小都市で、昔と比べると宅地化が進み、星を見るには少し光害の影響を受ける。もちろん、東京に比べると空は充分暗い。帰省したついでに倉庫に保管してあった望遠鏡を取り出してみた。中学時代、父親にせがんで初めて手にした望遠鏡は五藤光学製6.5センチ屈折望遠鏡だ。最後に使ったのはいつだろうか? 記憶も風化しているほどだから10年以上外の空気に触れることもなく、専用の木箱に眠っていたことになる。おそるおそる箱を開けて状態を確かめてみると、望遠鏡本体はなんとか無事のようだが、アイピースにはカビが生えていて、ちょっと悲しくなった……。なんとか手入れをして復活させなくては。

*     *     *     *

 話はかわるが、本誌「三鷹の森」で渡部先生がインターネット社会について書かれている。人によっていろんな使い道があるわけだが、目的意識を持って使えばインターネットは宝の山だろう。はたして自分がネットを有意義に使っているかは別として、少なくとも自分には情報収集やコミュニケーションの手段として、ネットはなくてはならないものになっている。ネットに接続できない環境にいると、世界から取り残されたような気持ちになるくらいだ。思えば、初期のメールは英数字の1バイトのみで、UNIXマシンでコマンドベースで使っていたものである。以後、日本語への対応、パソコン通信(懐かしい!)の普及、そしてメールソフトの進化、さらにケーブル、ADSL、光など通信環境の改善により、今では大きな容量の書類もメールに添付して送られるようになった。メールでも作品を応募した「思い出の彗星フォトコンテスト」という企画など、一昔前なら考えられなかっただろう。

 さて、最近、メール以上に熱中しているのが「チャット」である。メールより相手と直接的に文字ベースで会話を楽しめるが、最近ではパソコンにWebカメラやマイクを接続して、ビデオチャットができるようになった。こうなると、キーボードで入力する必要もなく、相手の顔を見ながら話す「テレビ電話」の世界となる。

 もし昨年大接近した火星撮影用としてWebカメラを購入して、常時接続の環境がある人は、ぜひ試してみてらどうだろう。やはりコミュニケーションというのは、文字ベース(腱鞘炎になるし)じゃなくて、言葉なんだなと思った次第である。

(敬)

五藤光学製6.5センチ屈折

とりあえず無事だった本体。しかしアイピース(左下)は……。



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