編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2003年11月

「今回はどうしようもないですねえ。あきらめるしかないでしょ」8月のとある日曜日、とある4WD店で、オイルにまみれた作業着のおじさんが、じつに寂しそうにかつ申しわけ無さそうに私に告げた。その店はランクル40系を専門に扱うことで、その筋には有名なところ。「今回」とは「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の中で謳われている、いわゆる「ディーゼル車規制」のことだ。
「(ヨンマル乗りの)みなさんも(車)降りちゃってるし……」
 この店に来る前の交差点で、同型車とすれ違った。右手で挨拶しながら「あなたもですか?」と目で理解し合う。「前回」の規制を生き残った希少な「おなかま」だ。 「前回」とは、8年前のディーゼル車から排出される窒素酸化物を低減するための規制(触媒型の窒素酸化物低減装置−約20万円−を装着してクリア)のことで、ランクルやジープの類の4WDが絶滅危惧種に指定され、以降、すれ違いざまに片手を挙げて「同好の挨拶」を交わすことも希になった。

「今回」私が取り得る選択は3つ、
?諦めて廃車にする。
?ランクルごと東京・神奈川・千葉・埼玉県以外に引っ越す。
?規制外地域に登録を移す。

 このトヨタ・ランドクルーザー・BJ46が生まれたのは昭和57年。今から19年前のことだ。その4年後に飯島カメラマンの取材車になり、当時私が乗っていた三菱ジープJ36とともによく一緒に出かけた。そして10年前、飯島カメラマンがランドローバー・ディスカバリー(今はディフェンダー)に乗り換えた時、J36のエンジンを高速でバーストさせた私の所へやってきた。
 ボディにはあちこち錆が進行しているもののエンジンはまだまだ元気(月までの3分の2を走行)なのに、?廃車にするには忍びなく、?引越しは無理、というわけで、なんとか?で生き延びさせてあげたいと思っている。というわけで、読者のみなさん、誰かこのランクルに乗りませんか?(ワケあってタイヤは新品同です)  ただし、末永くかわいがってくれる人に限ります。できれば近県の方(たまに元気な姿を見たいので……)。連絡は、編集部川口までお願いします。

(川口)

トヨタLandCruiserBJ46
編集人川口(ボンネット上)と、前オーナーの飯島カメラマン。
9月上旬、12月号の天体観測地情報の取材先にて。



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