編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2001年11月

 33年ごとに大流星雨を降らせてきたしし座流星群。33年周期の前年であった1998年、日本は世界中でもっとも好条件といわれ、多くの人々が「流れ星が雨のように降る」スペクタクルを求めて、星見ポイントへと車を走らせた。富士山など有名な景勝地では一晩中クルマの列ができ、周辺道路が朝まで大渋滞したことは記憶に新しい。快晴に恵まれたところでは、老若男女が空を見上げ、時折流れる流星に歓声を上げながら、今か今かとその時を待った…しかし、明るい火球を含む例年より活発な出現は見られたものの、この日、大流星雨は日本の夜空にはやってこなかった。

 結局この年のしし座流星群のピークは、当初予測の半日前にずれ込み、ヨーロッパで300個/時を超える活発な出現が観測された。とはいえ流星雨と呼ぶには程遠いものであった。

 そうなのだ。流星群の出現予報は難しく、当てにならない…はずだった。アッシャー氏が出現予報を発表した時も、誰もが半信半疑であったろう。

 しかし「1966年の大流星雨から33年目にあたる1999年」大流星雨はやってきた。ところはヨーロッパ。4000個/時に匹敵する流星が夜空を駆け抜けたのだ。日本国内でも19日未明に100個/時を超える流星が見られた。これらの出現がアッシャー論文とほぼ(微妙だが)一致していたことでがぜん注目を浴びることになった。

 さらに、昨年は日本国内は低調であったが、世界的には2度のピークが観測され、それぞれ300個/時、500個/時に達する出現が見られた。これもまたアッシャー論文と一致した。

 さて、2度あることは3度あるのか…今年は、過去の例からいえば「大出現の可能性はほとんど無い」はずだったのだが…。今年のしし群がこれほどまでに注目されるのは「日本、東南アジアで15000個/時に匹敵する出現が見られる」というアッシャー論文によるものだ。その詳細は特集を見ていただくとして、11月19日の未明の星空にはぜひ注目していただきたい。

 待望の流星雨はいつ、どのような形でやってくるのか……ぜひ自身の目で確認してほしい。もちろん、18日の未明や夜半前の空も要チェック。

 アストロアーツでは「インターネットライブ中継」を予定しているが、予報通り大出現が起きた場合には、ぜひ外へ出てホンモノの流星嵐を楽しんでいただきたい。
編集長 大熊正美

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