ケレス表面の多様性が明らかに

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NASAの探査機「ドーン」は今年3月から準惑星ケレスを周回している。そのドーンが周回軌道に入る前に観測したケレスの画像が公開され、表面の多様性が明らかになった。

【2015年4月15日 NASA

探査機「ドーン」は2011年から2012年まで小惑星ベスタを調査し、その後、今年3月6日に現在の探査目標であるケレスに到着した。公開されたケレスの表面マップは、ドーンが周回軌道に投入される前に取得された画像データから作成されたものだ。物理的特性や組成に関する情報をわかりやすくするため、色は強調されている。

ケレスの表面マップ
ケレスの表面マップ(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)

ケレスの表面は予想されていた通りクレーターだらけだったが、大きなクレーターの数は想像よりも少なかった。先日見つかり話題となった、ひじょうに明るい2つのスポットの詳細は(参照:アストロアーツニュース:「準惑星ケレスの表面に謎の光」)、ドーンが4月23日以降に行う集中的な調査によって明らかになるだろう。

また、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で見つかっていたケレス表面の明るい領域のうちの2箇所をドーンで観測した画像も公開されている。可視光・赤外マッピング分光器で得られた温度データから、領域1(画像中、上段)はケレスの他の場所に比べて温度が低いこと、最も明るい2つのスポットが存在する領域5(下段)は周囲と同様の温度らしいことがわかった。

ケレスの2つの領域の観測画像
領域1(画像中、上段)と領域5(下段)の観測画像(提供: NASA/JPL-Caltech/UCLA/ASI/INAF)

ケレスの探査は2016年6月まで続く予定だ。ベスタが水気のない乾いた天体であるのに対し、ケレスは質量の25パーセントが水の氷であると考えられている。共に火星と木星の間の小惑星帯に位置するベスタとケレスを比較することによって、太陽系形成について情報が得られるだろうと期待されている。