3D動画で見る小惑星ベスタ

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【2012年6月8日 NASA

NASAの探査機「ドーン」がとらえた小惑星ベスタの3D動画が公開された。


小惑星ベスタ

「ドーン」の観測に基づいて作成されたベスタの表面画像。色は擬似カラーで、表面成分などの違いを表している。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI)

2007年に打ち上げられ約4年間の飛行を経て昨年7月に小惑星ベスタに到着したNASAの探査機「ドーン」。1年間にわたる観測の最終段階に入っており、3D動画が作成・公開された。動画で見るベスタは、ドーンの観測データに基づいて描かれた高解像度擬似カラーの3Dモデルだ。このような映像から、ベスタの地形学的な物質の分布を調べることができる。

この動画では、ドーンが撮像したベスタ表面の大部分を見ることができる。北部の一部は影になっていたが、今後の観測で残りもカバーする予定だ。

表面の色は人の目では確認できないほどわずかな表面構造の違いを表している。それぞれの色と表面組成の対応については現在も分析中だが、いくつかクレーターの周囲に散らばった物質がオレンジ色で示されているのがわかる。また、緑色は比較的鉄を多く含む部分を示している。たとえば、ベスタの南半球にある「レアシルヴィア」と呼ばれる巨大クレーターは他の場所より鉄が少ないことがわかる。

現在ドーンは約690kmまで高度を上げて最後の観測ミッション軌道を回っている。8月26日ごろにベスタ周回軌道を離れる予定で、その後は準惑星ケレスへ向かう。