ハッブル宇宙望遠鏡、打ち上げ26周年

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4月26日にハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げから26年目を迎えた。記念日のお祝いとして公開されたのは、宇宙に浮かぶ巨大な泡「バブル星雲」の画像だ。

【2016年5月2日 ESA

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)は1990年4月24日、スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭載され打ち上げられた。以降、毎年その記念日を祝うために、HSTは観測時間の一部をさいて、特別に選ばれた天体の目を見張るような姿をとらえてきた。

26周年となる今年の記念日を祝うために選ばれた天体は、カシオペヤ座の方向8000光年の距離に位置する「バブル星雲」(NGC 7635)だ。星雲中に存在するまばゆい星の光によって、周囲に広がるガスや塵の雲が明るく照らし出されている。

バブル星雲NGC 7635
バブル星雲NGC 7635(提供:NASA, ESA, Hubble Heritage Team)

HSTがバブル星雲を観測したことはこれまでにもあったものの、以前は星雲のほんの一部をとらえただけだった。今回は広視野カメラ3(WFC3)で撮影した4枚の画像を合成し、星雲の全体像が初めて一枚の画像に収められた。

画像から、バブル星雲がほぼ左右対称な球殻構造をしていることがわかる。この構造は、画像中央の左側に見える明るい星「SAO 20575」の強力な恒星風によって作られたものである。SAO 20575の質量は太陽の10倍から20倍ほどあり、その恒星風による影響で周囲の物質が広がって泡のような構造ができたのだ。

星を取り囲む巨大分子雲は星からの強力な紫外線放射によって輝いており、泡構造が広がるのを押しとどめようとしている。しかし、すでに直径約10光年にまで広がった泡は、時速10万km以上もの恒星風の圧力によって膨らみ続けている。

また、この星がバブル星雲の中心に位置していないことも面白い特徴だ。なぜ星が中心にないのか、中心にないにもかかわらず星雲がほぼ対称形をしているのはどのようなメカニズムによるものかについては議論の的となっている。泡のカラフルな姿を作り出しているのもこの星だが、そのメカニズムもよくわかっていない。