ハッブルが紫外線で見た、ウルトラディープ領域の幼い星々

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【2014年6月6日 ESA/Hubble

ハッブル宇宙望遠鏡が何度も見てきた天空の一区画「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」の観測画像に、新たに紫外線データが加えられた。このデータから、これまであまり知られていなかった50〜100億年前の銀河における星形成のようすが詳しくわかる。


ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド

さまざまな波長で観測されたHUDFの画像には、およそ1万個もの銀河の姿がとらえられている。青が紫外線、赤が赤外線、緑が赤外線と可視光でのデータを示す。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, H. Teplitz and M. Rafelski (IPAC/Caltech), A. Koekemoer (STScI), R. Windhorst (Arizona State University), and Z. Levay (STScI))

画像は、近赤外線から紫外線までさまざまな波長で観測された「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」(HUDF)のカラフルな姿だ。HUDFとは、ろ座の方向にある狭い天空の領域のことで、遠方宇宙をのぞき見る窓のような一画である。ハッブル宇宙望遠鏡を用いた可視光や近赤外線での観測が2003年から行われてきたが、さらに紫外線での研究も進められている。

従来、近くの銀河の星形成については衛星「GALEX」などの紫外線観測で、最遠方の銀河の星形成についてはハッブル宇宙望遠鏡の近赤外線観測で、詳しいことが明らかになっていた。

だがその中間の、50〜100億光年先の銀河についてはじゅうぶんなデータがなかった。この距離範囲は大量の星々が誕生した時代にあたり、生まれたばかりの高温の大質量星が強い紫外線を放っている。

HUDFに紫外線観測データが新たに加わることにより、これまで見えなかった時代の星形成のようすが詳しくわかるようになる。私たちの天の川銀河がここまで大きく成長してきた過程についても理解が進むだろう。

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