三鷹の地で天体捜索を語る「第2回新天体捜索者会議」レポート

このエントリーをはてなブックマークに追加
第2回新天体捜索者会議が国立天文台三鷹キャンパスで開催された。新天体捜索者や研究者など92名の参加があり、盛会となった。

【2018年12月20日 星ナビ編集部

文:内藤博之さん(なよろ市立天文台)

国立天文台三鷹キャンパスで第2回新天体捜索者会議が開催されました。参加者は92名と前回(第1回)の53名を大幅に上回り、会場となったすばる棟大セミナー室を埋め尽くすほどの盛会となりました。

会議初日、〈新天体捜索へのいざない〉セッションから幕を開けました。「新天体捜索のこれまで」、「国立天文台における市民天文学プロジェクト」などの講演があり、日本人捜索者の功績や市民が気軽に参加できる天文学について紹介されました。続いての〈新星・変光星〉セッション、〈超新星〉セッションでは、近年日本人が発見・観測した天体についてのレビュー講演があり、発見された新天体についてより深く知るきっかけとなりました。

内藤さん 会議の様子
会議は2018年11月17日・18日の2日間にわたり開催された。画像クリックで表示拡大(撮影:星ナビ編集部、以下同)

会議2日目。〈彗星・小惑星〉セッションでは、中野主一さんの招待講演「新天体の発見とその捜索法(彗星編)」がありました。季節ごとの推奨捜索領域や2020年にサングレーザー (太陽のすぐ傍を通る彗星)を発見できるチャンスがあるなど、彗星捜索者の捜索意欲を掻き立てる盛りだくさんの内容でした。

2日目には分科会も企画されました。吉田誠一さんによる「新天体捜索を始めるにあたって」のワンポイントアドバイスを聞いた後、参加者が「彗星・小惑星(太陽系内の天体)」、「新星(天の川銀河内の天体)」、「超新星(天の川銀河外の天体)」の3つの分科会へと分かれ、興味のある天体についての情報交換を行いました。分科会は初めての試みでしたが、それぞれの進行役と参加者のカラーが出た、楽しい交流の時間となりました。共通していたことは、各分科会がたいへん盛り上がり、1時間半の設定時間では全然足りなかったこと。次回はたっぷり時間を取りたいと思います。

クロージングセッションでは、「次回はいつ開催されるのか?」、「どこで開催されるのか?」といった、次回(第3回)の開催を期待する声が寄せられました。今回の会議が参加者にとって有意義なものであったことがうかがえ、次回開催に向けての励みになりました。

今回の新天体捜索者会議は「彗星推し」でした。会議開催前の11月7日(世界時)に藤川繁久さん、岩本雅之さんによって新彗星が発見されたことが、参加者に夢と希望と刺激を与えたことは間違いありません。開催記念で作成したチャリティTシャツも「日本人の名前がついた周期彗星」がモチーフとなっており、一層の彗星捜索・観測を期待して参加者全員にプレゼントされました。

新天体捜索者会議は2004年に串田麗樹さん、広瀬洋治さん、 佐野康男さん、板垣公一さんら超新星発見者有志を発起人として開催された「超新星捜索者の集い」が前身となっています。その後、参加者の意見や要望を取り入れながら、捜索者と研究者の交流の場を作ったり、「超新星」から「新天体」へと対象を拡大したりして、「新天体捜索者会議」へと発展を遂げました。新しい、そして面白い企画を取り入れ、進化・発展していくのが新天体捜索者会議の特徴です。第3回新天体捜索者会議の開催に向けて、世話人となって一緒に盛り上げてくださる方を募集しています。

集合写真
集合写真。画像クリックで表示拡大

※詳細は星ナビ2019年2月号に掲載します。

〈関連リンク〉