「カッシーニ」、最後のタイタン接近完了、いよいよ最終ミッションへ

このエントリーをはてなブックマークに追加
NASAの探査機「カッシーニ」は26日からいよいよ、土星と環との間へ突入する最終ミッション「グランドフィナーレ」を開始する。それに先立ち、22日には衛星「タイタン」への最後の接近探査が行われた。

【2017年4月26日 NASA

NASAの探査機「カッシーニ」は2004年に土星に到着してから、これまでに127回、衛星「タイタン」をフライバイ(接近通過)し探査を行ってきた。その最後となるフライバイが4月22日15時8分(日本時間、以下同)に実施され、タイタンの上空約980kmを通り過ぎながら探査が行われた。

タイタン
タイタン(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

最後の観測では、衛星の北極領域に存在する炭化水素の海や湖がレーダーでとらえられている。このデータを使って、タイタンの湖の深さや組成が初めて(かつ、最後の機会として)調べられる。タイタンの「魔法の島」(参照:アストロアーツニュース :「タイタンの「魔法の島」の正体は、窒素の泡かもしれない」)に関する新たなの証拠も調べられることだろう。


今日26日からカッシーニは、いよいよ最後のミッションとなる「グランドフィナーレ」を開始する。このミッションでカッシーニは、土星本体と環との間へ飛び込んで通り過ぎるような軌道を22回飛行する。最初の通過は26日18時ごろ、その約1日半後に通信が復活する。

そして9月15日、カッシーニは土星の大気へと突入し、13年にわたる土星探査を終了する予定だ。

数字で見る「グランドフィナーレ」
数字で見る「グランドフィナーレ」。2400kmの幅の隙間に22回突入し、「最後に土星に1回」(提供:NASA/JPL-Caltech)

26日にカッシーニが土星本体と環の間を通り過ぎる様子を「ステラナビゲータ」でシミュレーション

〈参照〉

〈関連リンク〉