2025年11月24日 土星の環の準消失

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2025年11月24日、地球から見て土星がほぼ真横を向き、前後の期間は環がほとんど見えなくなる。

星図

11月24日、地球から見て土星の環の傾きがほぼゼロとなり、前後しばらくの期間は環がほとんど見えなくなるという、環の「準消失」現象が起こる。

土星の環の厚みは数百m程度しかないため、13億km以上も離れた地球から土星の環を真横に見る位置関係になると、環が見えなくなってしまう。このような現象は土星の公転周期の半分にあたる約15年ごとに起こり、今年3月24日には完全に真横になった

環の見え方のシミュレーション動画(地球から見た環の傾き)

その後、環の傾きは7月ごろに一時的な極大を迎えたが、地球と土星の位置関係によって再び傾きが小さくなり、11月24日に約0.45度(土星面の中央緯度の絶対値)で極小となる。この前後の期間、11月中旬から12月上旬にかけては傾きが0.5度(同前)未満で、環を見ることは非常に難しいだろう。どのように見える(見えない)か、実際に望遠鏡で確認したり撮影したりして確かめたい。

土星の環の傾き
2025年の、地球から見た土星面の中央緯度。環は赤道面に広がっているので、中央緯度がそのまま環の傾きに対応する。緯度がプラスは土星の北半球(環の北面)を、マイナスは南を見ている

環の見え方のシミュレーション動画(地球・太陽・土星から見た様子)

星ナビ2025年11月号
星ナビ2025年11月号で環消失のメカニズムやタイミング、観察方法などの特集記事(4ページ)を掲載

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