火星衛星探査機「MMX」の打ち上げ成功、約1年かけて火星圏へ

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10月20日早朝、火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機が種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは計画通りに飛行し、MMXは所定の軌道に投入された。

【2026年10月20日 JAXA】

10月20日午前4時41分、JAXAの火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約1時間11分後の午前5時52分ごろにはMMXが分離され、所定の火星遷移軌道に投入。打ち上げは無事成功した。ロケットから分離されたMMXは、電力確保など正常な状態であることが確認されている。

H3ロケット10号機の打ち上げ
H3ロケット10号機の打ち上げ(提供:JAXA種子島宇宙センター)

このあとMMXは約3か月かけて搭載機器の性能チェックを行いながら飛行を続け、2027年8月ごろ火星を周回する軌道に入る。火星圏での約3年間の滞在の間に、火星の衛星フォボスに近い軌道(擬周回軌道、QSO)での観測や、フォボスに着陸してのサンプル採取などを行う。超高精細カメラ(4K・8Kカメラ)での観測にも期待がかかる。MMXは2030年に火星圏を離脱し、2031年にサンプルを地球に持ち帰る予定となっている。

火星の衛星フォボスの概要と観測の観点、MMXがもたらす付加価値・波及効果
(上段)火星の衛星フォボスの概要と観測の観点(下段)MMXミッションの意義。画像クリックで表示拡大(提供:JAXA)

今回のH3ロケットの打ち上げは、6号機、9号機に続く3機連続の成功となった。また今回は、H3ロケットとして初めて第2宇宙速度(秒速約11.2km)に達し、これまで実績のあるペイロードの分離軌道より高い高度(590km)でMMXの分離に成功している。H3ロケットの試験機1号機と8号機の打ち上げ失敗を経て、打ち上げ回数が2桁となった10号機での成功はH3ロケットにとってひとつの節目といえる。

「H3ロケット8号機の失敗もあり、プレッシャーがありました。それでも、"とにかくリカバリーは半年でやる" それくらいの決意をもって原因究明に取り組みました。そういう中で、二桁の10号機をMMXの成功で飾れてほっとしています」(H3ロケットプロジェクトマネージャー 有田誠さん)。

JAXA総合指令棟のようす
MMX分離確認直後のロケット管制室のようす。最後列中央の席で笑顔で拍手をする有田誠さん(H3ロケットプロジェクトマネージャー)の右隣では、H3ロケット初代プロジェクトマネージャーの岡田匡史さんも両手を上げて喜びを見せた。種子島宇宙センターのJAXA総合指令棟にて(提供:JAXA)

10号機の機体形態は「24形態(H3-24L)」で、LE-9エンジン(Type1A)2基、固体ロケットブースタ(SRB-3)4本、H3ロケットとしては初めて適用されたロングフェアリングで構成される。24形態での飛行実績が得られたことにより、ハードウェアとしてのH3ロケットの形態が全て揃った。24形態はH3ロケットの中で搭載能力が最大であることから、より多くの衛星を搭載して低軌道へ送るサービスなどでの活躍が期待される。

H3ロケット10号機の機体形態、H3ロケットの形態概要
(上段)H3ロケット10号機の機体形態、(下段)H3ロケットの形態概要(提供:JAXA)


📖 11月5日発売「星ナビ」12月号でMMXを特集

星ナビ12月号表紙
「星ナビ」12月号では火星衛星探査計画「MMX」のミッションを詳しく紹介

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