10月20日打ち上げのH3ロケット10号機と火星衛星探査機「MMX」を観測しよう

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10月20日の早朝に、火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機が打ち上げられる予定だ。日照で輝くロケットの機体や、火星に向け航行を開始するMMXの光点を観測してみよう。

【2026年10月15日 解説:三島和久さん(倉敷科学センター 学芸員)】

JAXAの火星衛星探査機「MMX」が10月20日(火)に、鹿児島県の種子島宇宙センターからH3ロケット10号機により打ち上げられる。今回の打ち上げは日出前の4時41分03秒、飛行経路は東方向とされており、上昇していくH3ロケットを東北以南の広い範囲で観測できる条件がそろうことになる。ちなみに、同様の打ち上げ条件であった今年9月のH3ロケット9号機でも、0等級の明るさで観測されている。

長い間、待ち望まれていた日本の新型探査機の旅立ちだ。その門出をしっかり見届けていきたい。なお、10月5日発売の「星ナビ」2026年11月号でも「黎明の打ち上げ 朝日に輝くH3ロケットとMMXの飛翔」と題して打ち上げ当日のタイムテーブルや見え方の予想、夜光雲や大気発光の可能性、さらにその先の追跡について筆者が解説した。また、11月5日の「星ナビ」12月号では火星衛星探査機「MMX」のプロジェクトについて大きく特集するとのこと。

星ナビ11月号誌面
星ナビ11月号の巻頭NewsWatchでは、これまでとらえられたロケット打ち上げの光跡写真と合わせて、今回の見え方のシミュレーションを紹介した

■ 打ち上げ~1分45秒:H3ロケット固体ロケットブースタの赤い噴射炎を見る

H3ロケット10号機は24L構成とされ、まぶしい噴射炎を放つ固体ロケットブースタ(SRB-3)を4本搭載している。推力が最も大きい24L構成は、標準的な構成に比べ加速力が大きいため、SRB-3の燃焼が終了する100秒後までに60km近い高度にまで到達する。このため10号機の打ち上げでは、射場の種子島宇宙センターから300km(視程の良さによっては500km)という広い範囲で、SRB-3の噴射炎がとらえられるかもしれない。また、SRB-3の燃焼終了10秒後のSRB-3分離に伴う2回の閃光にも注意が必要だ。

観測地 距離 仰角 方角
大阪 643 km 1.9° 南西
広島 469 km 4.2° 南南西
高知 430 km 4.9° 南西
福岡 364 km 6.4° 南
熊本 272 km 9.5° 南
鹿児島 144 km 19.7° 南南東
那覇 570 km 2.7° 北東

SRB-3燃焼終了時の各地からの距離と仰角

■ 打ち上げ5分45秒後以降:日照で輝くH3ロケット機体を見る

SRB-3の燃焼終了後、ロケットは暗くなって見つかりにくい状態がしばらく続く。しかし、高度240km付近までロケットが上昇すると、ロケット機体に太陽光が当たり始めるため、東北以南の広域で機体が明るく輝く姿が見えるようになる。このときの明るさは1等級と予想される。

日照となる数十秒前に第1段と第2段が分離されるため、双眼鏡などで追うと2つの光点に分かれて見えるかもしれない。明るい光点が1段目、暗い光点が2段目だ。

以下に広島と東京の見え方の図を示す。なお、ロケットの飛行経路の詳細は非公開のため、過去の打ち上げから推測して計算するしかない。これらの図は精度を保証できるものではないことをご承知いただきたい。

広島でのH3ロケットの見え方 東京でのH3ロケットの見え方
広島と東京でのH3ロケットの見え方。「+3:00」などの数字は打ち上げからの経過時間(分)を表す。広島でも噴射炎が見える可能性があることがわかる。それぞれ画像クリックで表示拡大

各地での見え方の詳細は、次のウェブページで確認できる。お住まいの場所での様子を確認しておこう。

■ 翌日未明、打ち上げ20時間以降:火星に向けて地球を離れつつあるMMXを見る

火星に向かうMMXは、夜空の中でも火星のそばに位置しているため、未明から明け方の空で観測することができそうだ。ただ、打ち上げ20時間後(21日1時ごろ)ですでに地球から30万km離れていて、明るさは16等ほどと見込まれる。手軽に写せるわけではないが、星雲・星団の撮影スキルを持つ方は挑戦しがいがありそうだ。時間とともに移動するので、速写性の高い光学系+撮像センサーで狙いたい。3日後の23日には18等(90万km)、1週間後の27日になると19.5等(200万km)と予想される。

MMXの位置
21日未明~明け方のMMXの位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

各地での見え方の詳細は、次のウェブページで確認できる。


🔭 ステラナビゲータ/ステラショットでMMXを表示

ステラナビゲータの「探査機」ダイアログ
ステラナビゲータの「探査機」ダイアログ

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」や天体撮影ソフト「ステラショット」で、MMXの位置を表示することができます。データ更新してご利用ください。

  • データ更新後にソフトの再起動が必要です。また、星図の日時が20日6時以前では表示されません。
  • データは本記事の公開時にNASA JPL Horizonsで公開されているものに基づきます。

星ナビ2026年11月号

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