嫦娥5号、月のサンプルを携え帰還
【2020年12月21日 中国国家航天局】
11月23日に打ち上げられた中国の月探査機「嫦娥5号」は、12月1日に月面に軟着陸し、その直後から砂などのサンプル採取を開始した。ドリルとロボットアームを使ってサンプル約500gを掘り起こしたほか、表面の砂も約1.5kg採取し、真空容器内へと収めた(参照:「嫦娥5号、月面着陸とサンプル採取に成功」)。
12月3日には離陸機が月面を離れ、6日に月周回軌道上で待機していた大気圏再突入モジュールとドッキングし、月のサンプルを受け渡した。離陸機は再度分離して月面へ計画的に衝突し、大気圏再突入モジュールは月周回軌道から地球へと進路を変更した。
地球へ戻ってきた嫦娥5号は月周回機から大気圏再突入カプセルを切り離した。カプセルは高度10kmでパラシュートを開き、北京時間の12月17日未明に内モンゴル自治区の雪に覆われた草原に月のサンプルとともに無事着陸した。
着陸した嫦娥5号の大気圏再突入カプセル(提供:中国国家航天局)
サンプルコンテナはすぐに回収され、初期検査を経て北京に運ばれた。19日からは分析の準備が始まり、サンプルの質量は合わせて約1.731kgだったと発表されている。今後実施されるサンプルの組成や特性の分析から、月を含む太陽系の歴史に関する識見が得られると期待されている。
今後、中国国家航天局では2023年から2024年に月の南極のサンプル採取を目指す「嫦娥6号」の打ち上げを予定している。
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