冥王星の低い山々、衛星ニクスとヒドラの高解像度画像

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冥王星のハート模様の南西部に新しく山々が発見された。衛星ニクスとヒドラを高解像度でとらえた画像も公開されている。

【2015年7月24日 NASA (1)(2)

画像は探査機「ニューホライズンズ」の望遠撮像装置「LORRI」が7月14日に冥王星上空7万7000kmから撮影したもので、差し渡し約1kmほどのものを見分けられる解像度だ。冥王星の全体像に見られるハート型の「トンボー領域」の南西部(左下付近)がとらえられており、明るい氷原と暗くクレーターの多い大地の境界部にそびえる山々が見える。

新たに見つかった山々
トンボー領域に広がる「スプートニク平原」の西縁、「ノルゲイ山地」の北西約110kmに見られる山々。クリックで拡大(提供:NASA/JHU APL/SwRI、以下同)

すでに公開された画像からは3500m級の氷山が連なる「ノルゲイ山地」が発見されていたが(参照:アストロアーツニュース「冥王星のクローズアップ画像公開、3500m級の氷山」)、今回新たに発見された氷山の高さは1000mから1500mほどと低い。

「東側に位置する、若い地形である明るい氷原と、暗くクレーターの多い西側の地形には、明らかな違いがあります。2つの間で複雑な相互作用が起こっているのでしょうが、詳しいことはまだわかりません」(NASAエイムズ研究センター Jeff Mooreさん)。

右側の「スプートニク平原」は形成から1億年以下と地質学的に比較的若いと考えられ、暗い領域はおそらく数十億年前の地形とみられている。Mooreさんはとくに、明るい堆積物のようなものが古いクレーターを満たしているように見える点(たとえば、中央のやや左下に見える明るい円形地形)に注目している。

※トンボー領域、スプートニク平原、ノルゲイ山地は、いずれも非公式名。


衛星ニクス(画像中、左)とヒドラの鮮明な画像も公開された。

衛星ニクスとヒドラ
衛星ニクス(左)とヒドラ

ニクスの観測は7月14日に約16万5000kmの距離から可視光・赤外線撮像装置「Ralph」で行われた。画像解像度は約3kmほどで、ニクスの大きさは長さが42km、幅が36kmと計測されている。

とくに研究者の興味を引いているのは赤っぽい部分で(色は強調処理してある)、クレーターではないかと推測されている。すでに撮影済みだがまだ送られていない観測データがあり、今後が楽しみだ。

一方、いびつな形をした衛星ヒドラ(画像中、右)の白黒画像は、「LORRI」によって7月14日に約23万1000kmの距離から撮影されたものだ。画像の解像度は1.2kmで、ヒドラの長さは55km、幅が40kmと計測されている。

これまでで最も鮮明なヒドラの画像には、少なくとも2つの大きなクレーターらしいものが写っている。衛星の上部が他の領域より暗く見えているのは、表面の物質の組成が違うことが原因ではないかと考えられている。

なお、衛星ステュクスとケルベロスの撮影データは10月中旬までに地球へ送信される予定だ。

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