アルマ望遠鏡で冥王星の軌道を精密測定

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【2014年8月7日 アルマ望遠鏡

アルマ望遠鏡の観測で冥王星の軌道が精密に測定された。来年冥王星に接近する探査機のナビゲートに役立てられている。


冥王星と衛星カロン

アルマ望遠鏡が観測した冥王星と、その周囲をめぐる衛星カロンの動き。クリックで拡大(提供:B. Saxton (NRAO/AUI/NSF))

南米チリのアルマ望遠鏡を用いた観測で、冥王星の軌道が精密に測定された。

地球の約40倍も太陽から離れた冥王星は、248年で太陽の周りを1周する。1930年の冥王星発見から今日までの間に、人類は冥王星の1周のうち3分の1程度しかその軌跡を見ていないので、冥王星の軌道は精密に測定されておらず、位置には数千kmの誤差の可能性があった。

2013年末から2014年7月までに行われた観測では、100億光年彼方のクエーサー(遠方の銀河中心核から届くとされる強力なエネルギー放射源)との相対位置や、地球の公転にともなう見かけの位置のずれ(視差)を利用して、冥王星の軌道が精密に求められた。

得られたデータは、2015年7月に冥王星に接近するNASAの探査機「ニューホライズンズ」のミッションに役立てられている。冥王星まで最短距離で向かうことで燃料消費が抑えられるので、じゅうぶんな余力でさらに遠くの太陽系外縁天体を探査することができる。


探査機「ニューホライズンズ」の位置と航路

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、ニューホライズンズなど主な探査機の設定日時における位置や航路を表示することができます。

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