ニューホライズンズ最接近まで1か月、冥王星の最新画像

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探査機「ニューホライズンズ」の冥王星最接近まで残すところ1か月となった。5月下旬から6月初めにかけて撮影された最新画像には、明暗が非常にはっきりととらえられている。それぞれの領域が何であるのかは、今後得られる分光観測データの分析が待たれるところだ。

【2015年6月16日 NASA (1)(2)

7月14日の冥王星接近まで1か月となり、探査機「ニューホライズンズ」から送られてくる画像の解像度がますます高くなってきている。5月29日から6月2日の間に約5000万kmの距離から撮影された最新画像には、はっきりとした明暗がとらえられており、冥王星が複雑な世界であることがわかる。

冥王星
冥王星。撮影日と撮影距離は(左から)6月2日(5050万km)、6月1日(5100万km)、5月31日(5400万km)、5月29日(5500万km)。非球状に見えるのは画像処理と明暗差が大きいことによる。クリックで拡大(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute)

「冥王星の表面が一様ではなくバラエティに富んでいること、北半球にかなり暗い地形が存在していること、最も暗い地形や最も明るい地形は赤道やそのすぐ南に位置していることなどが見て取れますが、詳しいことはまだなぞです」(主任研究員 Alan Sternさん)。

「これまでにも明暗の領域があることはわかっていましたが、最新の画像によって、より複雑で微妙な違いがあることがわかってきました。7月初めには、それらの領域をターゲットにした分光観測データが得られる予定です。表面の特徴が一体何であるのか、何によってそれが引き起こされているのかなどがわかるでしょう」(プロジェクト・サイエンティスト Hal Weaverさん)。

今週初めの時点で、ニューホライズンズは冥王星まで3500万kmまで接近している。機器の状態は良好で、衝突要因となりうる未知の衛星や環も見つかっていない。「新たな展望」の本番の幕が開くのは、もうすぐだ。

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