冥王星のクローズアップ画像公開、3500m級の氷山

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探査機「ニューホライズンズ」による冥王星のクローズアップ画像が公開された。最接近直前に撮影されたもので、3500m級の氷山が明瞭にとらえられている。また、衛星カロンの崖や谷、衛星ヒドラの画像なども公開された。

【2015年7月16日 NASA (1)(2)(3)(4)(5)

日本時間14日夜に冥王星フライバイ(接近通過)を見事に果たした探査機「ニューホライズンズ」から、そのフライバイ時に撮影された冥王星の初のクローズアップ画像が届いた。最接近1時間半前に、冥王星上空約7万7000kmから「ハート模様」の南端付近をとらえたものだ。全球の1パーセントにあたる領域で、3500m級の山々が存在している様子がはっきりとわかる。

フライバイ時に撮影された冥王星
フライバイ時に撮影された冥王星。左下の黄色い線は約80kmの距離を表す。クリックで拡大(提供:NASA/JHU APL/SwRI、以下同)

これらの山々は水の氷でできているとみられている。どうやら1億年以内に形成されたもののようで、約46億年という太陽系の歴史の中では極めて若いものといえる。冥王星では今でも地質学的な活動が起こっている可能性を示唆する観測結果だ。木星や土星の周りを回る凍った衛星とは異なり、冥王星ははるかに大きな天体との相互作用で熱を生み出すということがないので、山々を作っているのは何か別のプロセスなのだろう。

冥王星のメタンに関する分光観測結果
冥王星のメタンに関する分光観測データ。左の画像中、破線で囲んだ領域におけるメタンの存在量を示したグラフ(右)。北極領域と赤道領域でメタンの氷の量が大きく異なっている


冥王星最接近前の13日に撮影されたカロンの画像では、様々な地形がこれまで以上にはっきりととらえられている。画像中を左から右へと横切る崖と溝は約1000km続いており、カロン内部の地質学的プロセスで作られたもののようだ。右上の大きな谷の深さは約7~9kmと推測されている。クレーターが見られないことも大きな特徴だ。

衛星カロン
7月13日に約47万kmの距離から撮影された衛星カロン

北極領域の暗い模様は境界がぼんやりとしており、暗い物質が薄く積もっているのではないかと考えられている。さらに高解像度の画像が待たれるところだ。


衛星ヒドラの画像には、いびつな形が写しだされており、表面の明るさが一様ではないこともうかがえる。表面は水の氷で覆われているようだ。今後送られてくる画像から、ヒドラや他の衛星の形成の謎を解く手がかりが得られるだろう。

衛星ヒドラ
約64万kmの距離から撮影された衛星ヒドラ。大きさが43×33kmと測定された

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