幼い星の周囲に距離が大きく異なる4つの巨大ガス惑星

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200万歳という幼い星の周囲の原始惑星系円盤に、複数の巨大ガス惑星によって作られたと思われる隙間が見つかった。最も外側の惑星は既知のホットジュピターに比べて1000倍も遠いところに存在しており、どのようにしてこの惑星系が形成されたのかが興味深い謎となっている。

【2018年10月19日 ケンブリッジ大学

おうし座CI星(CI Tau)は約500光年彼方に位置する、誕生からわずか200万年しか経っていない幼い星だ。この星の周りには、10日弱で公転する巨大な系外惑星が見つかっている。主星のすぐ近くを公転する高温の巨大ガス惑星、いわゆる「ホットジュピター」に分類される惑星で、これほど若い星の周りに存在するホットジュピターの発見第1号が、このおうし座CI星の惑星である。

英・ケンブリッジ大学のCathie Clarkeさんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を使って、おうし座CI星のホットジュピターの兄弟惑星を探す観測を行った。すると、星の周りに広がる塵や氷やガスでできた原始惑星系円盤の中に、3本のはっきりした隙間がとらえられた。理論モデルによれば、既知のホットジュピターとは別の巨大ガス惑星によってそれぞれの隙間が形成された可能性が最も高いと考えられる。

おうし座CI星の原始惑星系円盤
おうし座CI星の原始惑星系円盤(提供:Clarke el al. 2018)

4つの惑星の軌道は大きく異なっている。既知の惑星は最も内側にあり、主星からの距離は太陽から水星までよりも近い。一方、最も外側の軌道は、太陽から海王星までの3倍以上も中心星から離れており、主星から最も内側の惑星までの1000倍にもなる。惑星の質量は、最も内側のものが木星の約10倍、その次が木星と同程度で、外側の2つは土星程度(=木星の3割ほど)である。

おうし座CI星を取り巻く原始惑星系円盤と4つの巨大惑星のイラスト
おうし座CI星を取り巻く原始惑星系円盤と4つの巨大惑星の想像イラスト(提供:Amanda Smith, Institute of Astronomy)

巨大惑星は恒星からある程度離れたところで形成されると考えられていることから、中心星に近すぎる領域に位置するホットジュピターの存在は、研究者を悩ませ続けている。今回のように兄弟惑星が存在し、それらが最も内側の惑星を極端に中心星に近い軌道へと追いやる役目を担ったかどうか、これが一般的にホットジュピターの形成時に働くメカニズムなのかどうかは、まだはっきりわかっていない。

「今回見つかった変わった惑星系が、ホットジュピターの存在する惑星系として普通であるかどうかは、現時点ではわかりません。ホットジュピターが存在する惑星系のほとんどはもっと年齢が進んでいて、すでに原始惑星系円盤が存在しないため、同じ手法で惑星を見つけることができないからです」(Clarkeさん)。

また、外側の2つの惑星がどのように形成されたのかは、もっと深い謎だ。「現在のモデルは、これまでに発見されているタイプの惑星を再現することにフォーカスする傾向にありますから、新たに発見される惑星が必ずしもそのモデルに合うとは限りません。土星質量の惑星は、まず固体の核が形成され、その周りにガスを集めて作られたと考えられますが、主星から遠く離れたところでは、このプロセスにはとても時間がかかると思われます。ほとんどのモデルは、200万歳の惑星系で中心から遠く離れたところに土星質量の惑星を作るのに苦労するでしょう」(Clarkeさん)。

今後の課題は、謎の多いこの惑星系を多波長で観測して、円盤や惑星の特徴に関する更なる手がかりを得ることだ。その間にも、形成中の惑星をとらえる能力を持つアルマ望遠鏡が新たな発見をもたらし、惑星形成のシナリオが書き換えられるかもしれない。