探査機「オシリス・レックス」打ち上げ、小惑星ベンヌからのサンプルリターン目指す

このエントリーをはてなブックマークに追加
NASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」が、日本時間9日午前に打ち上げられた。2018年に探査目標の小惑星「ベンヌ」に到着し、サンプルを採取して2023年に地球に戻ってくる予定だ。

【2016年9月9日 NASA

NASAの小惑星探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-REx)」が米国東部夏時間の8日午後7時5分(日本時間9日午前8時5分)、米・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からアトラスVロケットで打ち上げられた。

オシリス・レックスの打ち上げ(提供:NASA)

オシリス・レックスが目指すのは、直径500mほどの地球近傍小惑星「ベンヌ((101955) Bennu)」だ。日本の探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」と同様に、小惑星のサンプルを採取して地球に持ち帰るサンプルリターンを行う。小惑星からのサンプルリターンはアメリカの宇宙探査史上でも初のことであり、アポロ計画で月の物質を持ち帰って以降で最大量のサンプルを持ち帰る計画である。

2018年にベンヌに到着する予定で、到着後しばらくはベンヌの地図作成や調査を行いながらサンプル採取に適した地点を探す。2020年7月にベンヌ地表に降下して、小さい岩や塵をアームで採取する。採取したサンプルを地球に持ち帰ってくるのは2023年9月の予定だ。

サンプルを採取するオシリス・レックスの想像図
ベンヌでサンプルを採取するオシリス・レックスの想像図(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

一方、2014年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」は2018年半ばに小惑星「リュウグウ」に到着、2020年末ごろ地球帰還予定となっており、日米のミッションを同時進行で見守る日々がこれからしばらく続くことになる。

オシリス・レックスの航路
オシリス・レックスの航路。地球とベンヌは2018年9月9日の位置(「ステラナビゲータ」で星図作成)

〈参照〉

〈関連リンク〉

関連記事