1年ぶり18回目の新星爆発を起こしたM31の再帰新星

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約1年周期で爆発するアンドロメダ座大銀河の再帰新星M31N 2008-12aの、18回目となる増光が、11月30日に板垣公一さんによって観測された。

【2025年12月2日 高橋進さん】

アンドロメダ座大銀河M31の再帰新星M31N 2008-12aは、2008年に西山浩一さんと椛島冨士夫さんにより発見された天体です。以来、約1年周期で新星爆発を起こし、平常時を含めて世界中で観測されています。

今回の増光に最初に気づいたのは山形県の板垣公一さんで、11月30.3634日(世界時。日本時間では30日17時43分)に板垣天文台(山形県)の60cm反射望遠鏡で撮影した画像から18.7等(CCDノーフィルター等級)で検出されました。

M31N 2008-12a(2025年)
M31N 2008-12a(撮影:板垣さん

今回の増光は2008年の発見から数えて18回目の増光で、前回の2024年12月13日の増光から352日ぶりの増光です。これにより、この新星の増光の平均周期は343.5日になりました。

M31N 2008-12a発見者
M31N 2008-12aの発見(増光検出)の一覧

新星とは主系列星(または赤色巨星)と白色矮星の近接連星系で起こる爆発現象です。主系列星から流出した水素ガスが白色矮星の表面に降り積もり、これが臨界量を超えると新星爆発を起こします。この爆発は白色矮星の表面に溜まったガスを吹き飛ばしますが、その後も主系列星からの流入は続くので、やがてまた新星爆発は起こります。

通常、新星爆発の間隔は数千年から数十万年のものがほとんどですが、ガスの流入が多い場合や白色矮星の質量が大きい場合はこの間隔が短くなり、数十年以下の周期で新星爆発を起こします。このような新星は再帰新星(回帰新星、反復新星)と呼ばれ、昨年から注目されている「かんむり座T」も再帰新星の一つです。

再帰新星では新星爆発を何度も繰り返しながら白色矮星の質量が重くなっていき、1.4太陽質量くらいになるとIa型超新星爆発を起こすと考えられています。そのような超新星への進化を研究するうえでも、わずか1年ほどで何度も爆発を繰り返すM31N 2008-12aは大きく注目されています。

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