おとめ座超銀河団の銀河の動きを可視化

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天の川銀河から1億光年以内にある約1400個の銀河の過去の動きを示す、これまでで最も詳細な軌道図が作られた。

【2017年12月14日 ハワイ大学天文学研究所

米・メリーランド大学のEd Shayaさんたちの研究チームが作成したのは、130億年前から現在に至るまでの間に「おとめ座超銀河団」に含まれる銀河がどのように動いてきたかという軌道図だ。

図の領域内で最も強く重力の影響を及ぼしているのは、私たちから5000万光年離れたところにある、太陽の600兆個分に相当する質量が含まれる「おとめ座銀河団」だ。すでに1000個以上の銀河がこの銀河団に飲み込まれており、現在、銀河団から4000万光年以内に位置しているすべての銀河も、将来的には銀河団の重力にとらえられてしまう。

天の川銀河は銀河団の重力に捕まってしまう領域の外側に位置しているが、一方で現在は230万光年離れているアンドロメダ座大銀河と徐々に接近しつつある。この2つの銀河は50億年以内に衝突、合体すると考えられている。天の川銀河やアンドロメダ座大銀河を含む「局部銀河群」とおとめ座銀河団、さらに別の銀河群や銀河団を含むのが、おとめ座超銀河団である。

おとめ座超銀河団に属する銀河の軌道
おとめ座超銀河団に属する銀河の軌道。天の川銀河(MW、黄色)やアンドロメダ座大銀河(M31、赤)が、銀河や星間物質などの存在しない巨大な宇宙の一領域である「ローカル・ボイド」から離れて、おとめ座銀河団(Virgo、紫)の方向へ向かう流れに乗っているようすがわかる(提供:R. Brent Tully)

領域内に存在する銀河のうち天の川銀河を含む半球側にあるものはすべて、1枚の平らなシートに向かって流れている。また、領域内のすべての銀河は、はるか遠くにある強い重力アトラクターに向かって流れており、全体としてこの領域には2つの大きな流れがあることがわかる。

「私たちは初めておとめ座超銀河団の詳細な構造を可視化しただけでなく、その構造が宇宙の歴史と共にどう進化してきたのかを見ることを可能にしました。プレートテクトニクスの動きから、現在の地球の地理を研究することに似ています」(米・ハワイ大学天文学研究所 Brent Tullyさん)。

おとめ座超銀河団に属する銀河の軌道の動画(提供:University of Hawaii at Manoa)

〈参照〉