「はやぶさ2」のカプセル、JAXAに到着

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12月6日に豪州に着陸した小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルは、8日にJAXA宇宙科学研究所へ到着した。今後、開封と分析に向けた準備が始まる。

【2020年12月11日 JAXA(1)(2)(3)

小惑星リュウグウの試料が入っているとみられる探査機「はやぶさ2」のカプセルは12月6日に地球に帰還し、オーストラリアのウーメラ立入制限区域内に着陸した。夜明け後に現地で、カプセルが正しく密封されていたこと、内部に何らかのガスが閉じ込められていることが確認されている。ガスは簡易分析にかけられたものの、リュウグウに由来するかどうかの判断には至っていない。

カプセルは7日にチャーター機に載せられて日本に向かい、8日(火)にJAXA宇宙科学研究所・相模原キャンパス内の地球外試料キュレーションセンターへと搬入された。同日JAXAは記者会見を実施し、コンテナを開封してからサンプルを分配するまでの手順などを発表した。

カプセルの積み込み
飛行機へカプセルを積み込む様子(提供:JAXA、以下同)

地球環境による汚染を避けながらサンプルを研究者に提供する役割を担うのは、JAXA宇宙科学研究所の地球外物質研究グループだ。ヒートシールドの取り外しと洗浄、外部蓋の取り外しを実施した後、サンプルの入ったコンテナをクリーンルームへ移動させる。

13日以降、クリーンルームにおいて約6か月間におよぶ引き渡し前の下作業が始まる。宇宙と同じ真空環境下でサンプルを扱う日本独自の技術を活用し、コンテナの開封とサンプル採取が行われる。サンプルの一部は将来のためにそのまま保管されるが、残りは真空から大気圧のある窒素環境へ移した上で、記録のために光学顕微鏡や近赤外線カメラによる観察、重量の計測といった最低限の分析にかけられる。

これらの下作業を終えたサンプルはJAXAの科学分析チーム、提携先であるNASAや国際的な公募で選ばれた研究機関などへ分配される予定だ。

クリーンチャンバー
カプセルが持ち込まれるクリーンルーム内のチャンバー。開封から選別までの下作業が第CC3-1室から第CC4-2室において行われる(CC3-1:真空下でのサンプルコンテナの開封、CC3-2:真空下でのサンプル採取、CC3-3:真空から窒素環境への移行、CC4-1:サブミリサイズ粒子の処理、CC4-2:ミリメートル以上の比較的大きな粒子の処理・観察・選別)

記者会見では「はやぶさ2」に対する社会の反応やミッションの波及効果に関する質問などが挙がり、「はやぶさ2」プロジェクトマネージャーの津田雄一さんとJAXA宇宙科学研究所所長の國中均さんが次のように答えた(内容抜粋)。

「はやぶさ2ロスが起こるほど、いろんな形でたくさんの方々に『はやぶさ2』を愛していただき、力になりました。今後11年かけて飛行する拡張ミッションも、引き続き応援していただきたいです」(津田さん)。

「リュウグウをはじめとするC型小惑星は炭素質で、いわば石炭と同じです。また月の極域では水の存在証拠が得られています。いずれに対しても、将来の資源獲得源としての研究や法整備などが、各国の政府や民間レベルで進められています。資源としての利用までには、まだまだ時間を要するわけですが、まずは日本が世界に先駆けて初めて、その小惑星からサンプルを地球に持ち帰ったわけです」(國中さん)。

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