中国の月探査機 「嫦娥5号」、打ち上げ成功
【2020年11月24日 中国国家航天局】
日本時間11月24日午前5時30分ごろ、中国の月探査機「嫦娥5号」が中国・海南省の文昌宇宙発射センターから長征5号ロケットによって打ち上げられ、予定の軌道へ投入された。
月探査機「嫦娥5号」打ち上げの様子(提供:中国国家航天局)
中国国家航天局は2003年から、月探査を行う「嫦娥計画」を進めている。2007年に「嫦娥1号」、2010年に「嫦娥2号」が打ち上げられ月周回軌道への投入に成功した。2013年には「嫦娥3号」が月面への軟着陸を果たし、2019年に打ち上げられた「嫦娥4号」は、世界で初めて月の裏側へ着陸した。今回打ち上げられた「嫦娥5号」は、それらに続く月探査機だ。
嫦娥5号は月周回軌道へ到着後、まず軌道上から月の探査を行う。その後、周回機と大気圏再突入モジュールは軌道上に残り、月面着陸機と離陸機が月面へ降下して、月面探査とサンプル採取を行う。
月面探査では、パノラマカメラによる着陸地点の地形マッピング、赤外線分光計を用いた岩石の組成調査、および土壌測定器でサンプル採取地点の地下の構造分析を実施する。
一方、サンプル採取では、ドリルとアームを使って地下約2mから岩石や砂を2kg程度集める。採取したサンプルは月面離陸機に収納され、離陸機は上昇して軌道上の大気圏再突入モジュールとドッキングする。そして周回機と大気圏再突入モジュールは地球周回軌道へと戻り、12月中旬に大気圏再突入モジュールが中国北部の内モンゴル自治区へ帰還する予定となっている。
嫦娥5号のミッションが無事終了すれば、中国は米国と旧ソ連に続いて、月のサンプルを地球に持ち帰る3番目の国となる。地球に月のサンプルが届くのは、1976年8月の旧ソ連の「ルナ24号」以来、実に44年ぶりだ。
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