愛知県小牧市の民家に隕石が落下
【2018年10月19日 国立科学博物館】
9月26日の夜10時半ごろ、愛知県小牧市の民家に大きな音が響いた。翌朝住民が調べてみると自宅の屋根に大きなえぐれた跡があり、また隣家の駐車スペースの屋根に穴が開き、その玄関前に黒い石が落ちていた。これらの状況から、黒い石は家の屋根に当たったあと、隣の家の駐車スペースの屋根を破って地面に達したとみられている。
隕石が当たったとみられる屋根。右図で大きくえぐれているのがわかる(プレスリリースより。隕石所有者提供)
10月初旬に問い合わせを受けた国立科学博物館(東京都台東区)が分析を行ったところ、この石から宇宙線生成核種からのガンマ線が検出され、まぎれもなく隕石であることか確認された。隕石の落下は2003年の広島隕石以来15年ぶりで、今年2月に登録された長良隕石に次いで国内で52番目に確認された隕石となる。
隕石は大きさ10cm程度で重さ550g。その外観から普通球粒隕石(コンドライト)の一種とみられる。現在約1か月の期間を見込んで進められている鉱物や希ガスの分析により隕石の分類が確定した後に、「小牧隕石」として国際隕石学会に登録申請される予定だ。
小牧市で見つかった隕石(表と裏)。この他にも最大約81gの複数の破片が回収されている(プレスリリースより)
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