脈動するオーロラの仕組みを解明

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科学衛星「れいめい」の観測データの分析と、名古屋大学などによるコンピュータシミュレーションの結果から、「コーラス」と呼ばれる宇宙の電磁波がオーロラを引き起こす電子を変調させることで脈動オーロラの瞬きが作りだされていることが解明された。

【2015年10月1日 JAXAISAS

科学衛星「れいめい」(INDEX)は、2005年8月24日に打ち上げられた小型高機能衛星だ。小型衛星に適した理学観測機器を搭載しており、世界最高の時間分解能で電子を観測できる。さらに、世界で唯一、オーロラの画像とオーロラを光らせる電子の同時観測を行うことができる。

オーロラを観測する「れいめい」の想像図
オーロラを観測する「れいめい」の想像図(提供:JAXA)

「れいめい」の観測対象であるオーロラは、宇宙から降ってくる電子が、高度100km付近の超高層大気と衝突することによって起こる。オーロラには様々な形態のものがあり、そのうち「脈動オーロラ」と呼ばれるものは、ぼんやりとした形状で、数秒間ごとに点滅するという不思議な性質がある(主脈動)。また、脈動オーロラが光っている際、1秒間に数回の速さで瞬く(明るさが変化する)ことも知られている(内部変調)。主脈動の起源については理解が進んできているものの、どのような仕組みで脈動オーロラの明滅や瞬きが起こるのかはわかっていなかった。

名古屋大学の三好由純(みよしよしずみ)さん、宇宙科学研究所の浅村和史(あさむらかずし)さんらの研究グループは、「れいめい」のデータ解析とコンピュータシミュレーションによって、脈動するオーロラの主脈動と内部変調のメカニズムを明らかにした。脈動オーロラを光らせている電子に、これまで知られていない性質があることを発見したのである。

さらに、「コーラス」と呼ばれる宇宙空間で自然に発生している電磁波と、電子との相互作用についてコンピュータシミュレーションを行い、「れいめい」の観測結果を再現することに成功した。その結果から、コーラスが電子を変調させることで脈動オーロラの明滅や瞬きを作りだしているという、統一的な仕組みが明らかになった。

「コーラス」は、音声に変換すると小鳥の声のように聞こえることから「宇宙のさえずり」とも呼ばれる。同研究は、この宇宙のさえずりがオーロラの瞬きを引き起こしていることを解明したもので、明滅も同じ仕組みで起こっていることを示唆する結果だ。2016年度に打ち上げられる予定の「ジオスペース探査衛星(ERG)」によって、さらにその性質の理解が進むことが予想されている。

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