初期の宇宙を照らした、太陽の1億倍明るい星団

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宇宙で最初に生まれた星に関するシミュレーションから、星の数が10から20個ほどの小規模の星団でさえ太陽の1億倍も明るく輝いていた可能性が示唆された。

【2015年4月28日 RAS

宇宙で最初の星が誕生したのはビッグバンから数億年後のことだ。この「第一世代の星」はどのようなものだったのだろうか。シミュレーションによれば、星は集団を作っていた可能性があり、星団の明るさは時には太陽の1億倍にも達していたかもしれないという。

第一世代星の想像図
形成途中の第一世代星の想像図。ガス円盤の中心で5つの星が生まれつつある(提供:Shantanu Basu, University of Western Ontario)

カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のAlexander DeSouzaさんとShantanu Basuさんは、ガスの円盤から宇宙最初の星が誕生し明るさが変化する様子をモデル化した。その結果、第一世代星は形成途中の段階のときがもっとも明るく、平均的な明るさの100倍という大増光を見せることもあった。

こうした星が集まりそれぞれ大増光を起こしていたとすると、集まった星の数が10から20個ほどであったとしても、星団全体としてみれば長い間明るくなっていたということになる。シミュレーションでは、16個の星から成る星団が時おり平均の1000倍も明るくなる様子が見られた。これは太陽の1億倍という、とほうもない明るさだ。

第一世代星からの光は130億年以上もの長旅をして地球へと届くが、ひじょうにかすかなものだ。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機で2018年に打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)に期待がかかるが、JWSTにとっても個々の第一世代星の明るさは暗すぎるかもしれない。しかし今回の研究成果は、これらの星が星団を成して灯台のように明るく輝いて見えることを示唆している。

「ひじょうにかすかな星を見ることは、JWSTが目指す重要な目的の一つであり、宇宙の歴史をたどろうとする天文学者の探求の一部でもあります。わたしたちの研究成果が正しければ数年のうちに、不思議な、そして目もくらむような明るい天体が生まれ、その周囲を照らしているようすが見られるかもしれません」(Basuさん)。

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