ますます鮮明に!氷か塩か、ケレスで輝く謎の光点

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準惑星ケレスを周回中の探査機「ドーン」が、ケレスの地表に見られる謎の光点をさらに低い高度からとらえた。

【2015年5月29日 Universe Today

NASAの探査機「ドーン」は準惑星ケレスを周回しながら観測を行っており、現在は少しずつ高度を下げているところだ。画像は5月16日にケレスから約7200km離れたところから撮影された連続写真の一部で、1ピクセルあたり700mの高解像度で地表をとらえている。

ケレス表面の明るい光点
直径91kmのクレーター内に明るい光点が見える(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA、以下同)

2月に見つかった表面の明るい光点については、氷のような太陽光を反射しやすい物質であることは判明したが、その正体についてはまだはっきりしていない。もし氷だとすれば、昇華するか塵に覆われるかして徐々に消えてしまうので、比較的新しいものだろう。火星の表面では小天体の衝突で地下の氷が露出することがあり、徐々に見えなくなってしまう。

明るい光点。(右)5月4日撮影、(左)5月16日撮影
明るい光点。(右)5月4日に高度約1万3500kmから撮影、(左)5月16日に高度約7200kmから撮影

ケレスの自転をとらえた動画「Ceres white spot complex」(YouTube動画)を見ると、クレーターが影で覆われているときにも光点が太陽光を反射していることがわかる。この点は高い場所にあるようで、日出時の映像からは、もっとも明るい光点が丘の斜面に沿って輝いているように見える。比較的最近起こった地滑りか天体の衝突によって、氷か塩が露出したものなのかもしれない。

ドーンがケレス表面にさらに接近して、より鮮明な像を届けてくれるのが楽しみだ。