初期宇宙銀河で「星の材料」を示す中性酸素の輝線を初検出

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アルマ望遠鏡の観測により、約130億光年彼方の銀河から中性ガスの存在を示す中性酸素の輝線が検出された。初期宇宙における「星の材料」の観測研究を大きく進展させる成果だ。

【2026年6月19日 千葉大学

恒星は水素原子や分子などからなる中性ガスが冷えて集まることで作られる。そこで、初期宇宙における中性ガスの性質を調べれば、宇宙誕生から10億年程度の時代にどのように星や銀河が作られたかを理解する手がかりが得られる。

こうした中性ガスからのシグナルは電波の波長で届くため、観測にはアルマ望遠鏡のようなミリ波・サブミリ波をとらえる電波望遠鏡が必要だが、これまで初期宇宙の銀河における直接観測はきわめて稀だった。

千葉大学先進科学センターの札本佳伸さんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を用いて、ろくぶんぎ座やおとめ座の方向にある、宇宙誕生から約7億~8億年後の星形成銀河4天体(REBELS-38、A1689-zD1REBELS-25、REBELS-18)を観測した。

その結果、中性ガスの存在を示す中性酸素の輝線([O I] 145μm)が検出され、初期宇宙の銀河から「星の材料」を直接観測することに成功した。この輝線は初期宇宙の星形成銀河では観測例がなく、典型的な星形成銀河としては最遠方での検出例である。

A1689-zD1と中性酸素からの輝線
(背景)おとめ座の銀河「A1689-zD1」周辺、(囲み内と右下)観測で検出された中性酸素からの輝線(等高線およびスペクトル)(提供:千葉大学リリース)

さらに、複数の輝線観測を組み合わせた解析から、これらの銀河が現在のスターバースト銀河並みに高密度の中性ガスを持つこともわかった。初期宇宙の銀河にも「星の材料が豊富に詰まった」星形成の現場があることを示す結果だ。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の測定結果と組み合わせることで、中性ガスの質量も直接推定されている。

また、過去に広く観測されてきた電離炭素の輝線も、主に中性ガスから放射されていることも初めて直接的に検証された。これまでの蓄積データを中性ガスの研究に活用できることを示す成果である。

初期宇宙の銀河からも中性酸素の輝線が有効に観測できることや、過去の蓄積データを有効利用できることが確認できた今回の研究は、星の材料となる中性ガスの観測研究を進展させ、星や銀河の進化を解明するうえで重要なものになるだろう。