「はやぶさ2」大気圏再突入コースに軌道変更完了

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11月26日に行われた3回目の最終軌道修正で、「はやぶさ2」は地球大気圏に突入する軌道へと移った。

【2020年12月1日 JAXA はやぶさ2プロジェクト

「はやぶさ2」は12月1日現在、地球から約190万km(月までの距離の5倍)の距離まで近づいている。「はやぶさ2」運用チームは、11月26日の16~17時(日本時間、以下同)にかけて、地球から約350万kmの位置で3回目の最終軌道修正「TCM-3」を行い、予定通りの軌道修正を完了した。この軌道変更によって、「はやぶさ2」は地球上空の高度290kmを通過する軌道から、オーストラリアのウーメラ管理区域(WPA)上空で大気圏再突入する軌道へと移った。

軌道修正
カプセルの大気圏再突入までの軌道修正。11月26日の「TCM-3」で「はやぶさ2」は地球大気圏に突入するコースに乗った。画像クリックで表示拡大(提供:JAXA、以下同)

小惑星リュウグウのサンプルを納めた再突入カプセルをWPAの区域内に正しく着地させるためには、「再突入回廊」と呼ばれる決まった範囲の進入角度で「はやぶさ2」を地球に進入させる必要がある。そのためにTCM-3では、地球から350万km離れた位置からWPAの上空200kmに置いた半径10kmの円を通すという、きわめて精密な軌道修正が求められた。今回、運用チームは無事に再突入回廊へと「はやぶさ2」のコースを変更することに成功し、再突入カプセルはWPA内の長径約230km×短径約100kmの楕円形の範囲内に着地することが確実となった。

TCM-3とTCM-4
TCM-3により、カプセルの着地点はオーストラリア・ウーメラ管理区域(WPA)内の長径約230kmの楕円の範囲となる。さらに、12月1日のTCM-4を行うことで、長径約150kmの楕円にまで着地点が絞り込まれる。画像クリックで表示拡大

TCM-3を予定通り完了したことで、カプセル着地までの各イベントの時刻も詳しく決まった。12月1日には再突入に向けた最後の軌道修正「TCM-4」が行われ、これによってカプセルの着地点は、WPA内の長径約150kmの楕円エリア内に絞られた。12月5日14時30分にはカプセルが「はやぶさ2」本体から分離される。カプセルは12月6日2時28分ごろに大気圏に突入し、2時47~57分ごろに着地する見込みだ。

イベント 時刻(日本時間) 地球からの距離
TCM-4 12/1 16時前後 174万km
カプセル分離 12/5 14:30 22万km
TCM-5 12/5 15:30-18:00 20万~16万km
探査機が日陰に入る 12/6 01:57 12,000km
カプセル撮影 12/6 02:28-02:30 700~300km
カプセル大気圏突入 12/6 02:28-02:29 120km
探査機が日陰から出る 12/6 02:31 350km
パラシュート展開 12/6 02:31-02:33 11~7km
カプセル着地 12/6 02:47-02:57 0km

カプセル再突入までのタイムスケジュール

一方、「はやぶさ2」本体はカプセルを分離してから1時間後に軌道修正「TCM-5」を行う。これによって「はやぶさ2」は再突入回廊から外れ、地球圏から離れる軌道に乗る。カプセルが大気圏に再突入して火球となる時刻には、「はやぶさ2」のカメラから火球の撮影が行われる予定だ。

カプセル再突入
カプセル再突入の詳細。分離されたカプセルは秒速12kmという高速で大気圏に再突入し、高度100km付近で火球となる。高度10kmまで降下するとヒートシールドが分離され、パラシュートを展開する。その後20分ほど降下して着地するとみられる。画像クリックで表示拡大

現在、WPAではJAXAのカプセル回収班本隊も到着し、回収に必要なアンテナやマリンレーダーなどが設置されたところだ。現地でカプセルを分解してサンプルコンテナを取り出す「QLF(初期観察施設)」も設営が完了している。12月1~2日にはヘリコプターを使った回収のリハーサルが行わることになっている。

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