日食ソフト「エクリプスナビゲータ」用日食要素を公開 12月14日南米皆既日食の月縁補正に対応

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日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ」用日食要素データを無償公開しました。2020年12月14日に南太平洋・チリ・アルゼンチン・南大西洋で見られる皆既日食を、月縁形状を補正して正確に再現します。

【2020年10月8日 アストロアーツ

今年12月14日(世界時、日本時間では14日深夜~15日未明)に南太平洋から南米、南大西洋にかけて見られる皆既日食は、ハワイ諸島の南南東約3,000kmの南太平洋上で始まり、島影の少ない海域を南東に進みます。アルゼンチンのリオネグロ州で現地時間13時13分ごろ(日本時間15日1時13分ごろ)に食分最大に達し(継続時間2分8秒)、その後南大西洋まで続きます。チリのビジャリカでは現地夏時間13時3分ごろ(日本時間15日1時3分ごろ)に継続時間2分7秒、アルゼンチンのラス・グルータスでは現地時間13時19分ごろ(日本時間15日1時19分ごろ)に継続時間2分7秒の皆既食となります。

「エクリプスナビゲータ4」は、国立天文台またはNASAが公開している最新の日食要素(ベッセル要素)を用いて食の計算を行います。月縁の形状の影響を補正する機能も搭載され、接触時刻を高い精度で計算したりダイヤモンドリングの様子を正確にシミュレーションしたりできます。

今回のデータ更新では「エクリプスナビゲータ4」および「エクリプスナビゲータ3」用に、以下の6地点での月縁プロフィールを考慮した時刻補正データを配信いたします。

観測地 経緯度(世界測地系)
ビジャリカ(チリ) 西経72度13分39.06秒、南緯39度16分41.26秒
ラス・グルータス(アルゼンチン) 西経65度5分39.04秒、南緯40度48分39.83秒
食分最大地点(Greatest Eclipse) 西経67度58分17.95秒、南緯40度19分58.36秒

「エクリプスナビゲータ4」で皆既日食を多角的にシミュレーション
チリ・ビジャリカでのシミュレーション。月縁の形状を考慮して第2接触の直前に見られるダイヤモンドリングを正確に再現した様子。日食帯地図や時刻表、天空表示、連続表示など、多角的に日食現象をシミュレーションできる。画像クリックで表示拡大

※今回公開した日食要素は元国立天文台の相馬充氏によるもので、日本の月探査機「かぐや」の地形データを使って計算した月縁の形状を含んでいます。


〈データの更新〉

以下の手順でデータの更新を行ってください。データ更新の方法などに関してご不明な点は、製品サポート「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

1. 最新の「アップデータ」のインストール

ご注意:データ更新の前に、最新の「アップデータ」をダウンロードのうえインストールしてください。製品のバージョンは、「ヘルプ」メニュー→「エクリプスナビゲータについて」から表示される「バージョン情報」ウィンドウで確認できます。

2. データの更新

  1. エクリプスナビゲータを起動し、「設定」メニュー→「データ更新」を選択します
  2. 「データ更新」ダイアログで「更新方法:インターネット」を選択し、「更新をスキャンする」をクリックします
  3. 下記の項目のチェックをオンにして「更新を実行する」をクリックします
    • 「2020年12月14日 南太平洋・チリ・アルゼンチン・南大西洋皆既日食」
    • 「2020年12月14日 南太平洋・チリ・アルゼンチン・南大西洋皆既日食(月縁あり)」
    • 「2020年12月14日 南太平洋・チリ・アルゼンチン・南大西洋皆既日食(月縁あり・ビジャリカ用)」
    • 「2020年12月14日 南太平洋・チリ・アルゼンチン・南大西洋皆既日食(月縁あり・ラス・グルータス用」
  4. 更新が完了したら「閉じる」ボタンで「データ更新」ダイアログを閉じます
  5. 「日食要素」メニューに各日食要素が新しく追加されます。観測地に合わせていずれかを選んでお使いください

「データ更新」ダイアログ
「データ更新」ダイアログで日食要素を選び、更新


〈観測ツアー中止のお知らせ〉

当初企画しておりました「星ナビ」協賛ツアー「2020年12月14日 南米皆既日食観測ツアー」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、催行中止となりました。

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