「はやぶさ2」地球帰還は12月6日
【2020年7月14日 JAXA】
昨年11月に小惑星「リュウグウ」を出発した探査機「はやぶさ2」は現在、地球まで9200万kmのところまで戻ってきている。太陽からの距離は約2億kmで、地球を外側から追いかける方向に飛行中で、残る航程は約3.2億kmだ。
これまで「はやぶさ2」の地球帰還は今年11~12月と発表されていたが、本日の記者発表会でその日付が12月6日(日)と発表された。JAXAでは宇宙物体のオーストラリアへの着陸許可を申請中で、許可取得に向けてJAXAとオーストラリア宇宙庁が協力して作業を実施中だ。
「はやぶさ2」は今後、9月中旬ごろまでイオンエンジン航行を続け、10月からは化学推進系を用いた軌道微調整を数回行う。そして地球帰還時に、リュウグウのサンプルが入っているとみられるカプセルを分離する。カプセル分離後、「はやぶさ2」は別の天体を目指して飛行を続ける予定だ。
「はやぶさ2」の運用計画。画像クリックで表示拡大(提供:JAXA、以下同)
分離されたカプセルは高度約200kmで大気圏に再突入し、高度10kmまで降下したところでパラシュートを開いて、オーストラリアのウーメラ地区に着陸する。カプセルは光学観測やビーコンの情報などから位置が調べられて探索、回収される。
カプセル分離から着陸までの流れの説明図
日付が発表されたことでいっそう期待がふくらむというものだ。残り5か月、計画が無事に遂行されることを願おう。
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