坪井さん、おおぐま座の銀河に超新星発見、13個目

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広島県の坪井正紀さんが2月3日、おおぐま座の銀河に超新星2018pvを発見した。坪井さんの超新星発見は通算13個目。

【2018年2月13日 Transient Name ServerVSOLJニュース

著者:山中雅之さん(広島大学)

冬から春にかけては地球からほどよく近い距離にある銀河の観測シーズンで、こうした銀河内に出現した明るい超新星が日本のアマチュア天文家によって相次いで発見されています。2月3日15時ごろ(世界時。日本時では4日0時ごろ)、広島県の坪井正紀さんによって、おおぐま座の方向約3900万光年の距離に位置する近傍銀河NGC 3941に明るい超新星SN 2018pvが発見されました。この超新星の位置は以下のとおりで、超新星は銀河の明るいバルジに発見されています。

赤経  11h52m55.70s
赤緯 +36°59′11.60″(2000年分点)

おおぐま座の超新星
おおぐま座の超新星の発見画像(撮影:坪井さん)

NGC 3941周辺の星図と、DSS画像に表示した超新星
NGC 3941周辺の星図と、DSS画像に表示した超新星。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成。DSS画像の版権について

広島大学の口径1.5m「かなた望遠鏡」による即応的な追観測の結果、測定誤差が大きいものの、Rバンドと呼ばれる赤い色の光を通すフィルターでは11等台程度に達していることが明らかになりました。また、Bバンドと呼ばれる青いフィルターにおいては13等程度と測定されています。

かなた望遠鏡では同晩に分光観測も実施しており、この天体が極大光度に到達する数日前のIa型超新星と同定されています。スペクトルには初期のIa型超新星由来であるケイ素やカルシウム、酸素といった吸収線が見られています。特に、Ia型超新星の中でもやや暗いサブグループのものと合致します。また、銀河内に分布する固体微粒子由来と考えられる吸収線も見られ、強い散乱を受けていると考えられます。このため、この超新星は赤い色を示しています。

先日、板垣公一さんによって発見されたIa型超新星SN 2018gvが12等台に到達する見込みというニュースが流れたばかりですが、SN 2018pvはそれを上回る明るさです。残念なことに、銀河の明るいバルジによる影響が大きいため、小口径の天体望遠鏡では銀河と超新星の分離が難しいかもしれません。大気の揺らぎが比較的落ち着いている夜に観察、撮影してみてはいかがでしょう。

なお、坪井さんによる超新星発見は2016年12月以来で、通算13個目の発見となりました。