板垣さん発見の超新星が増光中

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山形県の板垣公一さんが1月15日に発見した超新星2018gvが明るくなっており、12等級台に到達するとみられている。

【2018年1月29日 VSOLJニュース

著者:山中雅之さん(広島大学)

板垣公一さんによって1月15日16時20分ごろ(世界時、以下同。日本時では16日1時20分ごろ)に発見された超新星SN 2018gvが増光を続け、12等台に到達する見込みです。

SN 2018gvは、地球からおおよそ5100万光年先のNGC 2525を母銀河とする超新星です。発見翌日の16日12時にはハワイ島マウナケア山のケックI望遠鏡によって、15時にはヨーロッパ南天天文台がチリに持つ新技術望遠鏡によって分光観測がなされ、非常に初期のIa型超新星であることがわかっていました。SN 2018gvの位置は板垣さんによって以下のとおり報告されています。

赤経  08h05m34.61s
赤緯 -11°26′16.30″(2000年分点)

NGC 2525周辺の星図と、DSS画像に表示した超新星
NGC 2525周辺の星図と、DSS画像に表示した超新星。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成。DSS画像の版権について

SN 2018gv
東広島天文台かなた望遠鏡で取得されたSN 2018gvの色合成画像(提供:広島大学)

Ia型超新星であるSN 2018gvは、京都大学の前原裕之さんの眼視観測によると1月26日に13.2等であったと報告されています。また、広島大学かなた望遠鏡による観測では1月27日に13.0等と測定されています。これらの観測から、1月28日現在、最も明るい光度に到達する数日程度前であると推定されています。依然として緩やかな増光傾向にあり、12等台に到達すると推定されます。もし12等台に到達すれば、日本から観測可能な超新星としては昨年5月に発見されたSN 2017eaw(12.8等)以来の明るさとなります。

SN 2018gvは、極大光度を過ぎると、青い色(短い波長)においては速い減光を示し、赤い色(長い波長)においては一度減光した後にやや緩やかな減光を示すと予測されます。また、赤い色では1か月程度かけて1等程度減光するものと思われます。

Ia型超新星は、異なる超新星であってもその特徴がよく似ていることが知られています。また、典型的なものであれば極大絶対等級が-19等を超える明るい現象であることも知られており、こうした特徴から、宇宙遠方にある銀河までの距離を推定することが可能となる強力な道具として知られています。このような距離を測定することのできる天体現象は限られています。

ところが、Ia型超新星は依然としてその爆発する元の天体やどのようなメカニズムで爆発に至るのか、その詳細は明らかになっていません。SN 2018gvのように初期に発見されるIa型超新星を追観測することが、これらの問題を解決する糸口になると期待されています。