銀河中心ブラックホールの自転軸、宇宙の巨大網に沿う傾向

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欧州研究者らの観測から、明るい銀河の中心ブラックホールの自転軸の方向が、宇宙に広がる巨大な網の目構造に沿う傾向が見つかった。宇宙の進化プロセスを探るうえで重要なヒントになりそうだ。

【2014年11月21日 ヨーロッパ南天天文台

ベルギー・リエージュ大学のDamien Hutsemékersさんらが南米チリの超大型望遠鏡「VLT」を用いて行った観測研究から、数十億光年を隔てて位置するクエーサー93個の自転軸の向きが揃っていることがわかった。クエーサーとは、遠方銀河の中心核にある巨大質量ブラックホールがひじょうに明るく光る天体だ。重力で集まった物質が渦巻く円盤は超高温となり、ブラックホールの自転軸に沿ってジェットを噴き出す。研究では自転軸やジェットそのものを直接見たわけではなく、それぞれのクエーサーの偏光(光の振動の向き)などから円盤の角度、ひいては自転軸の向きを把握した。

チームはさらに、これらの自転軸の向きが「宇宙の大規模構造」のフィラメントに沿う傾向も見出した(画像)。数十億光年スケールでは銀河の集まりの分布は一様ではなく網の目構造に連なっていて、これが宇宙の大規模構造と呼ばれている。研究チームでは、観測された傾向が偶然である確率は1%未満と見積もっている。

クエーサーの向きと大規模構造の関連性が観測で確認されたのは初めてのことで、宇宙の進化を数値シミュレーションで明らかにするうえでの重要なヒントになりそうだ。

宇宙の大規模構造と、網の目に沿ったクエーサーの自転軸
宇宙の大規模構造と、網の目に沿ったクエーサーの自転軸のイメージ図(提供:ESO/M. Kornmesser)