青みがかった超新星、初代星を発見する鍵

このエントリーをはてなブックマークに追加
重元素が欠乏している宇宙初代の星が起こす超新星爆発の光度変化をコンピュータ・シミュレーションで調べたところ、光度が安定する期間である「プラトー期」が暗く短いことや青い波長が強く出ることがわかった。こうした天体の直接観測につながる手がかりとなりそうだ。

【2016年7月15日 カブリIPMU

初期宇宙に満ちていた水素やヘリウムだけを材料として作られた星を初代星と呼ぶ。初代星そのものや初代星の超新星爆発を探すことは初期宇宙の様子を知るうえで重要だが、観測が難しく、直接観測しての研究はまだ行われていない。

初代星の性質は間接的には、宇宙初期に第二世代の星として形成されたと考えられている、鉄などの重元素が欠乏した寿命が長く暗い星の元素組成の観測から探られてきた。こうした星は初代星によりまき散らされた元素で形成されており、当時の宇宙の元素組成を保存していると考えられているためだ。

太陽のような重元素の多い星と、重元素が欠乏した星との元素存在量の比較
太陽のような重元素の多い星と、重元素が欠乏した星との元素存在量の比較(提供:Kavli IPMU、以下同) )

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のAlexey Tolstovさんたちの研究チームは、初代星が超新星爆発を引き起こした場合と、重元素の含有量が太陽程度の通常の星が超新星爆発を起こした場合のコンピュータ・シミュレーションを行い、それぞれの超新星爆発の際の光度変化を複数の波長に対して計算した。

その結果、初代星の超新星爆発の方が、爆発の始めに生じる「ショックブレイクアウト」(超新星爆発後の最初の数時間に起こる現象で、超新星爆発の一連の光度変化の過程で最も明るい)の後に続く光度が安定する期間「プラトー期」が暗くて短いことや、プラトー期に青い波長が強く出ることがわかった。こうした特徴を手がかりとすることで、将来的に初代星の超新星爆発を観測できる可能性がある。

超新星爆発の各段階の想像図とシミュレーションで示された光度変化
重元素が欠乏した星の超新星爆発と重元素の多い星の超新星爆発の各段階の想像図 (上段と下段) と、ショックブレイクアウトからプラトー期(上段では150日ごろまで、下段では50日ごろまで)を経て減衰していく複数の波長 (色) のシミュレーションで示された光度変化

「初代星の爆発は次の世代にあたる星や銀河形成に非常に大きな影響を与えています。こうした現象(シミュレーションに見られたような光度の特徴)をみとめられるような爆発がどのようなものか理解する必要がありますが、ここで最も難しいのは、現在の研究や観測に基づいた現実的なモデルを作ることです。重元素が欠乏した超新星爆発の観測的証拠を見つけられれば、それは初期の宇宙をより理解する一歩と言え、私たちにとって喜ばしいことです」(Tolstovさん)。

今後、理論モデルの更なる改良と観測による実証によって初代星の研究が更に発展することが期待される。