遠方銀河9万個の3次元分布図が完成

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ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡で約8年かけて進められてきた、遠方銀河の分布図作りが完了した。9万個以上の銀河の情報は、宇宙の大規模構造やダークエネルギーについての研究に役立てられる。

【2016年12月22日 ヨーロッパ南天天文台

チリにあるヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTに搭載の、可視光線多天体分光器「VIMOS(VIsible MultiObject Spectrograph)」による約8年間で440時間に及ぶ観測から、50億~80億年前の(遠方の)宇宙に存在する銀河の分布図が作成された。

9万個の銀河の3次元分布図
9万個の銀河の3次元分布図。クリックで拡大(提供:B. Granett, L. Guzzo & the VIPERS Collaboration)

観測は南天の2つの空域で行われ、合計約24平方度(北斗七星のマス部分より少し小さい程度)ほどのエリアに存在する9万個以上の銀河について、距離の指標となる赤方偏移などが測定された。これにより、宇宙における銀河の3次元的な分布を知ることができる。

ヨーロッパ南天天文台で行われた赤方偏移サーベイとしては最大規模のもので、分布図に見られる、宇宙が若いころの構造は、空間規模としても詳細さにおいても過去にないレベルだ。

数十億年前の宇宙における銀河の分布を調べることは、宇宙の大規模構造における物質の分布を知ることにつながる。さらに、謎のダークエネルギーが若い宇宙に及ぼしていた影響を調べることにもつながる。今回のデータからすでに、宇宙がはるかに若かった頃から銀河がどのように進化してきたのかについてや、フィラメント構造や銀河団、ボイド(空洞)など大きなスケールの構造とどのような関連性があったのかについて新しい研究成果が出始めているが、今後さらに多くの成果が得られることだろう。

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