衛星テチス表面に、複数の謎の赤い筋

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探査機「カッシーニ」が撮影した画像から、土星の衛星テチスの表面にスプレーで描かれたような赤っぽい筋が発見された。

【2015年7月31日 NASA

土星の第3衛星テチスは直径1000kmほどの小さな天体だ。表面にはいくつものクレーターが見られ、直径450kmもあるオデッセウス・クレーターをはじめ大きなものも多い。

衛星テチス
4月に撮影された衛星テチス。色は強調してある(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute、以下同)

そのテチスに、細くカーブを描く赤っぽい不思議な筋模様が見つかった。同じく土星の衛星であるディオネに見られるクレーターを除くと、赤い色味の模様は土星の衛星上では珍しいものだ。衝突クレーターなど古い地形を横切っていることから考えると、おそらく地質学的に若いものだろう。

テチス表面の赤っぽい筋
テチス表面の赤っぽい筋。画像全体は490×415kmの範囲をとらえている

2004年から土星やその衛星を観測している探査機「カッシーニ」は、ミッションの初期にもこの模様をかすかにとらえていた。土星系ではここ数年北半球が夏を迎えており、太陽の光がよく当たるようになっている。その結果、赤い弧もはっきりと見えるようになったのだ。

赤い弧の起源やその色は研究者にとって謎の一つとなっている。不純物の混ざった氷が露出しているという説や、テチス内部からガスが噴出したためという説、表面に割れ目のような地形がありそれと関連しているという可能性などが考えられているが、本当のところはわかっていない。

研究チームでは赤い弧の追加観測を計画中だ。「組成や原因の解明を目指し、11月には赤い弧を近くから撮影する予定です。土星周回軌道に入ってから11年たっても、カッシーニは驚くべき発見をし続けています」(プロジェクト・サイエンティスト Linda Spilkerさん)。

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