土星探査機カッシーニが捉えた、土星の衛星6つの最新画像(ミマス、レア、タイタン、テチス、ハイペリオン、ディオネ)

【2004年11月29日 Cassini-Huygens News (1) / (2) / (3) / (4) / (5) / (6)

土星探査機カッシーニによる土星の衛星の画像が次々と公開されている。どれも、今までにない鮮明さで捉えられたものばかりだ。今年10月末にカッシーニが捉えた6つの衛星の画像をまとめて紹介しよう(画像はいずれもクリックで拡大)。


巨大な土星と共に捉えられたミマス

(土星とミマスの画像)

土星と衛星ミマス。スケールは1ピクセルあたり46km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

この画像に捉えられているのは、土星と衛星ミマスだ。土星の表面には、白い巨大な嵐と黒い波模様が見える。この画像は9月25日に土星から780万kmの距離から捉えられたものである。


レアの輝くようなクレーター

(レアの画像)

衛星レア。スケールは1ピクセルあたり10km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

このレアの画像は、10月24日にカッシーニが170万kmの距離から捉えたもの。レアの直径は1,528kmで土星の衛星としては2番目に大きく、われわれの月の半分程度の大きさである。次のレアの画像撮影はホイヘンス探査機がタイタンへ着陸を終える直後の来年1月中ごろで、その画像の解像度は今回の約10倍向上する予定である。


タイタン上空より

(タイタンの画像)

衛星タイタン。スケールは1ピクセルあたり2〜4km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

このタイタンの画像は、10月26日にタイタンから65万kmから30万kmまで接近して撮影された9枚の画像を合成して作られている。表面に見える明るいパターンが目立っているが、その形成プロセスは不明で、専門家の議論は尽きない。クレーターが存在しないことから、表面は若いと考えられている。その活動の性質については、構造的(テクトニクス的)なものか、風による作用なのか、もしくは川の流れが関連しているのか、あるいは海洋性のものか火山性なのか、まったくわかっていない。


傷だらけのテチス

(テチスの画像)

衛星テチス。スケールは1ピクセルあたり1.5km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

これは、10月28日、テチスからわずか25.6万kmの距離から撮影された3波長の画像を合成してできた、自然な色あいのテチスの画像だ。表面はクレーターに覆われており、小さなクレーターが大きく古いクレーターの上にたくさん捉えられている。また、昼と夜の境界線あたり(画像上部)は深く刻まれたように見えている。テチスの密度は水にとても近いため、専門家はテチスが主に水氷で構成されていると考えている。2005年9月にはカッシーニ探査機がテチスに接近し詳しい調査を行う予定である。


奇妙な形の衛星、ハイペリオン

(ハイペリオンの画像)

衛星ハイペリオン。スケールは1ピクセルあたり13km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

奇妙な形の衛星ハイペリオン(直径266km)は、表面の明るさが場所ごとに違っており、なかなか興味深い。10月20日に捉えられたこの画像は、ハイペリオンから220万kmの距離から撮影されたものである。


ディオネの縞模様

(ディオネの画像)

衛星ディオネ。スケールは1ピクセルあたり3.5km。(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

120万kmの距離から10月27日に捉えられたディオネ(直径1,118km)の画像には、光と影のコントラストを見せるクレーターと縞模様が捉えられている。この縞模様は、24年前にボイジャーが初めて観測を行ったものだ。縞模様部分の高解像度撮影は、12月中旬に予定されている。