若い太陽型星のスーパーフレア活動は、黒点が大きい時期ほど強まる

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若い太陽型星の長期観測データの分析により、恒星表面の巨大黒点の面積が大きい時期ほどスーパーフレアの発生頻度と総エネルギーが大きくなることが明らかにされた。太陽の黒点とフレアの関係と共通する結果だ。

【2026年10月26日 京都大学】

誕生から間もないころ(約45億年前)の太陽は、現在よりも速く自転し、より活発な黒点活動やフレア活動を起こしていたと考えられている。しかし、若かった太陽の活動を直接観測することはできない。そこで、太陽とよく似た質量や表面温度を持ち、年齢が数千万年から1億年程度の「若い太陽型星」を調べると、太古の太陽活動や地球環境を知る手がかりが得られる。

これまでの研究で、若い太陽型星では、現在の太陽で起こる最大規模のフレアを10倍以上も上回る規模の「スーパーフレア」が発生していることが知られている(参照:「太陽とよく似た性質の星でもスーパーフレアが100年に1回起こる」、「若い惑星環境を揺るがす巨大フレアの多温度・多速度噴出」)。スーパーフレアは周囲の若い惑星の環境に極めて大きな影響を与えうるものの、どのような仕組みで発生するのかはよくわかっていない。

スーパーフレアの想像図
スーパーフレアの想像図(提供:MPS/Alexey Chizhik)

黒点には強い磁場が集中しており、黒点の周辺に蓄えられた磁気エネルギーが急激に解放される現象がフレアだ。太陽では、黒点の面積が大きい時期ほどフレアが発生しやすくなることが知られている。しかし、他の恒星でも黒点の面積の時間変化に伴ってフレア活動も変化するのかは、十分に調べられていなかった。

京都大学の一柳大治朗さんを中心とする研究チームは、地球から約110~150光年の距離にある3つの若い(推定約3000万~1億歳の)太陽型星「りゅう座EK星」「きょしちょう座DS星A」「ヘルクレス座V889星」を対象として、系外惑星探査衛星「TESS」が約7年間にわたって取得した観測データを詳しく調べた。この研究は、一柳さんをはじめとする当時の学部生4人が主体となって始めた自主ゼミから生まれ、京都大学の行方宏介さん、山敷庸亮さんとの共同で進められたものだ。

星の表面に黒点があると、星の自転に伴って観測される明るさが周期的に変化する(系外惑星による減光とはパターンが異なるので区別できる)。研究チームは、この光度変化の大きさから、星の表面のどの程度の面積を黒点が覆っていたかを推定した。

一方、フレアが発生すると星の明るさは短時間で急激に上昇する。研究チームは急激な増光を検出する解析プログラムを作成し、フレア発生頻度や、フレアとして放出されたエネルギーの総量を調べた。

その結果、3つの星全てで、太陽に見られる黒点よりも面積の大きな巨大黒点と、太陽で発生するフレアを大きく上回るエネルギーを放出するスーパーフレアが確認された。さらに、時期ごとに比較すると、黒点の面積が大きい時期ほどフレアが頻繁に発生することもわかった。

りゅう座EK星の明るさの変化
りゅう座EK星の明るさの変化。上段には、星の自転に伴って黒点が地球側を向いたり、裏側に回ったりすることで生じる周期的な変化が表れている。下段は、その影響を取り除いたもので、フレアによる急激な増光を赤色で示している(提供:京都大学)

また、フレアによる増光の大きさと継続時間から個々のフレアのエネルギーを推定し、期間ごとに足し合わせて総エネルギーを求めたところ、黒点の面積が大きい時期ほど、一定期間にフレアとして放出されるエネルギーの総量も大きくなることが明らかになった。「黒点の面積が大きい時期ほどフレアが発生しやすくなる」という太陽で見られる関係が、若い太陽型星でも共通して見られることを示す結果だ。

黒点面積とフレアの発生頻度の相関
黒点面積とフレアの発生頻度の関係。3つの星全てで、黒点面積が大きいほどフレアの発生頻度が高くなる正の相関が見られる(提供:京都大学)

多数の星の統計から黒点とフレアの関係を調べた従来の研究に対し、今回の研究は個々の星を長期間追跡して両者の変化を比べたものだ。若い太陽型星のスーパーフレアも、太陽フレアと同じく黒点周辺の磁気エネルギーによって引き起こされていると考えられる。若いころの太陽も大きな黒点を持ち、巨大なフレアを頻繁に起こして、誕生間もない地球の大気や表面環境に影響を与えていたのかもしれない。

巨大黒点が多数存在する若い恒星の想像図
巨大黒点が多数存在する若い恒星の想像図(画像生成:ChatGPT 5.6 Sol、Gemini Pro、作成者:行方宏介)

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