2015年のミラ型変光星の明るさ変化予測

このエントリーをはてなブックマークに追加
明るい変光星を数か月にわたって肉眼や双眼鏡で眺めると、その光度が変化する様子を見て楽しむことができる。長周期で明るさが大きく変わるミラ型変光星のうち主な11個について、2015年の光度変化の予測グラフをお寄せいただいた。

【2015年1月5日 高橋進さん】

「ミラ型変光星」は、恒星の脈動によりおよそ100~500日の周期で5~10等級ほどの変光を見せる天体です。小さな双眼鏡があればじゅうぶんに観測できますし、場合によっては肉眼でも観測可能です。そのため何か観測したいという方にはおすすめなのですが、実際には双眼鏡を向けてみたが見えなかった、という話もよく聞きます。たとえば、ミラ型変光星の代表星であるくじら座ミラの場合、極大の(一番明るい)ころは3~4等級になり肉眼でも観測可能なのですが、極小期(一番暗いころ)は9等にまで暗くなってしまい双眼鏡でも観測が難しくなります。

そこで、ミラ型変光星のうち主要な11星について、いつどれくらいの明るさになるかを予想したグラフを作成しました。これを利用して、その時期に見やすい天体をぜひ観測していただければと思います。実際には1~2等級のズレが出る可能性がありますので、あくまで目安として参考にしてください。

ミラ型変光星の2015年の変光予想
ミラ型変光星の2015年の変光予想。今年は、はくちょう座χやうさぎ座R(クリムゾンスター)が見やすくおすすめだ。クリックで拡大(提供:高橋進さん)

2015年のくじら座ミラは、地平線下にある5月に極大となるので観測が難しくなります。一方はくちょう座χ(カイ、χ Cyg)は、位置的にも見ごろとなる7~8月に極大を迎えるのでおすすめです。クリムゾンスターとして有名なうさぎ座R(R Lep)は12月に極大となるので、その赤い色をより一層楽しめます。

観測に必要な変光星図は日本変光星研究会ウェブサイト(「変光星図」ページ)や、アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)ウェブサイトにありますのでぜひご利用ください。また観測結果については、上記日本変光星研究会サイトの「観測報告について」を参考に、日本変光星観測者連盟(VSOLJ)まで(観測受付の広沢憲治さん)ご報告をお願いします。


ステラナビゲータで変光星を表示

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、天体をクリックすると表示される「天体情報パレット」で予測光度を表示します。また、「天体」メニュー→「恒星」ダイアログで変光星を表示設定すると、変光星の名前と極大・極小時の明るさなどが星図に表示されます。

タグ

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉