古川さん、半年間の宇宙滞在から帰還

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国際宇宙ステーションでの長期滞在を終えた古川聡さんら4名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「クルードラゴン」が12日、米・フロリダ州沖に無事着水した。

【2024年3月13日 JAXA

昨年8月から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた古川聡さんと3名の宇宙飛行士が搭乗した米・スペースX社の「クルードラゴン(クルー7)」は、日本時間(以下同)3月12日0時20分にISSから離脱した。

ISSを離れてから約18時間後、クルードラゴンは大気圏に再突入してパラシュートを展開し、12日18時47分ごろに米・フロリダ州ペンサコーラ沖に着水した。クルードラゴンは海上で待機していた小型船に曳航されて19時15分に回収船へ引き上げられた。

古川さんたち
着水直後のクルードラゴン内で笑顔を見せる古川さんたち4名の宇宙飛行士(提供:NASA/Joel Kowsky

ハッチが開けられると、ヨーロッパ宇宙機関のAndreas Mogense宇宙飛行士、NASAのJasmin Moghbeli宇宙飛行士、ROSCOSMOSのKonstantin Borisov宇宙飛行士に続いて、古川さんも外に出て手を振り、元気な様子を見せていた。この後4人は健康状態のチェックを受け、ヒューストンへ移動して、地上の重力に体を慣らすためのリハビリテーションプログラムを受ける。

帰還したクルードラゴンと古川さん
クルードラゴンの大気圏再突入、パラシュート展開、着水、古川さんが現れたシーン(提供:NASA

古川さんのISS長期滞在は今回が2回目で、通算滞在時間は366日8時間34分となり、日本人宇宙飛行士では若田光一さんに続く2番目の長さとなった。滞在中は生命現象の解明や医薬品の開発に役立つ高品質たんぱく質の結晶生成実験、微小重力環境を利用した立体臓器の培養実験などに関する作業をこなしたほか、次世代水再生実証システム(JWRS;JEM Water Recovery System)で再生された水のサンプルを地球へ持ち帰って分析するために、その採取と収納も行った。また、宇宙における火災を防いだり、宇宙服の開発にも役立つ知見の取得を目的とした「FLAREミッション」では、微小重力環境が固体材料の燃え方に及ぼす影響などを調べるための装置の組み立ても行った。

《JAXA 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》

本日、国際宇宙ステーションでの長期滞在を終え、古川聡宇宙飛行士がクルードラゴン宇宙船にて、米国フロリダ州・ペンサコーラ沖に無事帰還したことを大変嬉しく思います。

古川宇宙飛行士は、今回、二度目となったISS長期滞在にあたり、「宇宙でしか見つけられない答えが、あるから。」をミッションテーマとし、自らのバックグラウンドも活かして、再生医療につながるヒト臓器創出の要素技術の開発等、地上に成果を還元する多くの宇宙実験を推進して参りました。また、宇宙飛行士の作業時間削減を目指した船内ドローンロボット技術等の実証、民間企業による様々な実験・技術実証の実施、更には、次世代を担う多くの国々の若者が参加した簡易宇宙実験(アジアントライゼロG)、ロボットプログラミング競技会や、地上との交信企画など、国際宇宙探査、民間利用の拡大、人材育成・教育等にも貢献しました。

帰還後は、ISS滞在中に得た経験を、来年以降に長期滞在を予定している油井亀美也宇宙飛行士、大西卓哉宇宙飛行士の活動や、2名のJAXA宇宙飛行士候補者の訓練にも還元し、更に、ポストISS時代に向けた地球低軌道における活動の更なる発展や国際宇宙探査に向けた技術開発、国際協力の促進に反映してくれることを期待しております。

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