【特集】ペルセウス座流星群(2020年)

このエントリーをはてなブックマークに追加

夏の定番天文現象「ペルセウス座流星群」。今年も8月12~13日を中心に、活発な活動が見られそうです。

一番の見ごろとなる12日深夜から13日未明には、少し月明かりの影響がありますが、空の条件が良いところで1時間あたり30個ほど流れ星が飛ぶと期待されます。

安全やマナーに気をつけて、ぜひ星空を見上げ、流れ星を待ってみましょう。

ピークは12日深夜~13日未明

2020年のペルセウス座流星群の活動が最も活発になる「極大時刻」は、8月12日22時ごろと予想されています。つまり、12日の深夜から13日の未明にかけてが一番の観察チャンスとなります。

見える数の予想

12日深夜から13日未明にかけて、見晴らしが良いところで、1時間あたり30個前後の流れ星が見えると予想されます。活動の規模という点では12日22時ごろが一番多くなりますが、この時間帯は放射点(›› 解説)の高度が低いため、目にできる流星数という点ではこれより後の時間帯とあまり変わりません。

一方で13日0時ごろ以降は放射点が高くなっているというプラスはありますが、月が昇ってきてしまい月明かりの影響を受けるというマイナス点もあるため、見える数は12日22時ごろと同じくらいと考えられます。

12日深夜22時から13日明け方4時まで、北東の空を眺めた様子。場所の設定は東京(ステラナビゲータでシミュレーション)。
[YouTube]

郊外などでは街明かりや視界の広さ、空の透明度などが見え方に影響するため、流星数は空の条件の良いところに比べて半分から3分の1ほどになります。ペルセウス座流星群の流れ星は明るいものも多いので、市街地でも1時間あたり数個は見えるかもしれません。

別の日や時間帯の場合、見える流れ星の数はさらに減ってしまいますが、それでも普段の(活発な流星群のない)時と比べれば流れ星を目にできる可能性が高い時期です。7月末から8月初めごろは他の小規模な流星群の活動が複数あるおかげで、ペルセウス座流星群に限らず流れ星が見やすくなるので、ぜひ星空を見上げて流れ星を待ってみましょう(今年は8月4日が満月なので、月明かりの影響は大きいとみられます)。

参考リンク:

観察のポイント

空を広く見渡そう

流星群の流れ星は放射点を中心として四方八方に飛びますが、これは「放射点の方向にだけ流れ星が飛ぶ」ということではなく、「流れ星の光跡を反対に(流れ始めた方向に)たどっていくと放射点に到達する」ということです。つまり実際には、流れ星は方角や高さに関係なく、空のあちこちに流れます。

12日深夜22時から13日明け方4時まで、空全体に流れ星が飛ぶ様子。場所の設定は東京(ステラナビゲータでシミュレーション)。

したがって、放射点の方向だけを見るのではなく、広い範囲を見ることがポイントです。広場や校庭、河川敷など視界の開けたところが観察に適しています。その際、街明かりや月明かりの影響を小さくするために、街灯や月から離れた方向を中心に眺めると流れ星が見つけやすくなります。また、凝視すると視野が狭くなってしまうので、なるべくリラックスして空を広く見渡すようにすると良いでしょう。

15分くらいは見続けてみよう

1時間に30個の流れ星が見えるとすると、計算上は平均して2分に1個のペースで見えることになりますが、流れ方はランダムですので、立て続けに数個見えることもあれば10分以上も見えないことも珍しくありません。1つも見えないからと数分で諦めるのではなく、15~20分くらいは見上げてみましょう。

この時期、未明のころの西の空には「夏の大三角」、天頂付近には「秋の四辺形」、北から東の空には「カシオペヤ座」や「プレアデス星団(すばる)」などが見えています。ゆったりと星々を楽しみながら、流れ星が飛ぶのを待ってみてください。

13日未明2時に、東→北→西→南→東の空を眺めた様子。場所の設定は東京(ステラナビゲータでシミュレーション)。

ステラナビゲータでシミュレーション

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」を使うと、流れ星が飛ぶ様子や周りの星座の見え方、撮影の構図などを調べられます。

▶ 体験版はこちら。1か月間無料で機能をお試しいただけます。

モバイルツールでシミュレーション

流れ星を待つ間は、星座探しをしてみましょう。iOS用の「iステラ」「iステラ HD」やアンドロイド用「スマートステラ」などのモバイルアプリを使えば、星や星座の名前がすぐにわかります。シミュレーション画面にも流れ星が飛ぶので、空の様子を想像することもできます。

※まぶしくないように、画面の明るさを調整しておくとよいでしょう。

App Store
iPhone/iPod touch用「iステラ」
App Store
Google play
Android用「スマートステラ」
各社の「アプリ取り放題サービス」でもご利用いただけます

スマートステラでのシミュレーション

8月12日深夜の星空の様子をスマートステラで表示。放射点の位置や周りの星座の名前などもわかる。画像クリックで表示拡大。

明るい惑星も見ごろ

この夏は宵から未明にかけて木星土星が見やすく、深夜以降には火星が、明け方には金星も見えるようになります。惑星観察や撮影の合間に空を眺めていると、惑星の近くに流れ星が飛ぶかもしれません。

【特集】明けの明星 金星(2020年 夏~冬)
【特集】火星(2020年10月6日 地球最接近)
【特集】木星とガリレオ衛星(2020年)
【特集】土星(2020年)

そのほかのポイント

  • 流れ星を観察するために長時間夜空を見上げ続けていると首が痛くなります。アウトドア用のチェアやベッドがあればベストですが、安全な場所であればグラウンドシートに寝転がって見るのも快適です。
  • 場所によっては蚊の襲来に悩まされることがあります。虫除けを用意しましょう。
  • 大騒ぎしない、車や足元に注意する、子供だけで行動しないなど、マナーや安全にもじゅうぶん気をつけましょう。

ベッド

ベッドに寝転んで観察すれば、楽に広い範囲を見渡せます。

流星撮影のポイントは「星ナビ」特集で!

月刊「星ナビ」で流星群の撮影を特集。いずれも過去の記事ですがポイントは同じなので、流星を撮影してみたい方は参考にしてください。

星ナビ2017年8月号 紹介記事

星ナビ2017年9月号 紹介記事

星ナビ2017年12月号 紹介記事

星ナビ2018年12月号 紹介記事

流れ星が見える仕組み

ペルセウス座流星群とは

一年のうちある決まった時期に、星空の中のある点の付近を中心として流れ星が飛ぶ現象が流星群です。流星群は現在約110個が知られていますが、ペルセウス座流星群はしぶんぎ座流星群(1月4日ごろ)、ふたご座流星群(12月14日ごろ)とともに「三大流星群」の一つとして数えられる、活動が活発な流星群です。

ペルセウス座流星群は、毎年8月13日前後に多くの流れ星が飛びます。活動が安定しており、ほぼ期待どおりに流れ星を見ることができます。寒くないことや夏休みの時期に当たることも、流れ星観察には好条件です。

放射点

流星群の流れ星は、天球上のある点の付近を中心として四方八方に放射状に流れるように見えます。この点を「放射点」と呼び、放射点の位置する(または放射点の近くの)星座や恒星の名称が流星群の名前として付けられます。ペルセウス座流星群の場合はペルセウス座のあたりに放射点があるので、この名前で呼ばれています。

夜空に鮮やかな光跡を残す流れ星

夜空に鮮やかな光跡を残すペルセウス座流星群の流れ星。画像クリックで表示拡大。

平行に降る、流星群の流れ星

流れ星(流星)は、宇宙空間に散らばっている小さな塵(流星物質)が地球の大気圏に飛び込んで大気中の原子や分子と衝突し、上空100km前後でプラズマ発光する現象です。

平行に降る流れ星

平行に降る流れ星。画像クリックで表示拡大。

地球が塵の集まりとぶつかると、流星群の流れ星は雨のように平行に降ります。平行に飛び込んでくる流れ星が放射点を中心として放射状に流れるように見えるのは、一直線の道路の両端が遠方の一点から伸びてきているように見えるのと同じ理由です。

塵が宇宙空間を同じように移動した場合の、流れ星の見かけの動きを考えると、放射点付近では経路が短くなり、放射点から離れるほど経路が長く見えます。とくに放射点では、流れ星は観察者に向かってくるように見えます(静止流星と呼びます)。

流れ星の実際の動きと見かけの動き

流れ星の実際の動きと見かけの動き。画像クリックで表示拡大。

ペルセウス座流星群の起源

塵を放出して流星群の原因となる天体を母天体と呼びます。この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると、毎年同じ時期に地球がその交点付近を通る際に、塵の集まりと地球がぶつかることになります。したがって、流星群の流れ星は毎年同じころに同じ方向から飛んでくるように見えるのです。

ペルセウス座流星群の母天体は、約135年周期で太陽系を巡っているスイフト・タットル彗星(109P)です。現在スイフト・タットル彗星は地球から遠く離れたところにありますが、彗星から放出された塵は彗星の軌道上に広がって分布しており、彗星と同じ軌道を運動しています。そのため、ペルセウス座流星群の流れ星は彗星の位置にかかわらず毎年多く見られます。

流星群と彗星の関係

流星群と彗星の関係。放射点の方向は地球の進行方向ではなく、地球の運動と彗星物質の運動を合わせた方向になる。画像クリックで表示拡大。