有志プロジェクトの目で見つけた、1年が不規則な系外惑星

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機械的には検出が難しい、不規則な公転周期の系外惑星を、有志プロジェクトが人間の目で見つけた。他の惑星の性質もわかるなど、この発見は惑星系全体を知る大きな手がかりとなっている。

【2014年11月11日 Yale University

米・イェール大学と有志プロジェクトの協力により、公転周期が不規則な惑星が見つかった。はくちょう座の方向2300光年彼方にあるこの「PH3c」は、水素とヘリウムのガスで覆われた軽い星とみられる。主星の周りをおよそ66日周期で回っているが、他の惑星の重力の影響で10周回の間に周期が10.5時間も変動するというとても不規則な公転周期を持つ。こうした惑星は、主星の手前を通過する時に定期的に起こるわずかな減光(トランジット)からその存在を知るのは難しいが、同大学と連携する有志プロジェクト「プラネットハンター」(Planet Hunters)の参加者が手動で発見することに成功した。

「プラネットハンター」のウェブサイトでは、30万人以上の協力者が系外惑星探査衛星「ケプラー」のデータから惑星によるトランジット現象を探す。機械的な検出ではなく人間の目で確認することで、周期が変動する惑星でも見つけられるのだ。

PH3cが見つかったことで、1つ外側の惑星PH3dが土星よりひと回り重く大きいこと、1つ内側の惑星PH3bは地球と同じような岩石惑星かもしれないこともわかった。

また、この3つの惑星の公転周期が1.91倍ずつ長くなっている(約35日、66日、126日)という奇妙な法則も見つかっており、研究者のJoseph Schmittさんは「これが偶然によるものなのか、それともこの惑星系が作られた過程に何か秘密があるのかはわかりません」と話している。

公転周期が変動する惑星PH3c
公転周期が変動する惑星PH3cの存在から、惑星系のさまざまな情報が得られた(提供:Michael S. Helfenbein)