探査機メッセンジャー、ミッションを終了し水星に落下

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探査機「メッセンジャー」が1日朝、水星に落下し、4年にわたるミッションを終了した。

【2015年5月1日 NASAMESSENGER

NASAの探査機「メッセンジャー」が1日朝4時半ごろ(日本時間)、水星の北半球にある「シェークスピア盆地」に予定通り墜落し、ミッションを終了した。メッセンジャーは2004年8月に打ち上げられ、2011年3月に史上初めて水星の周回軌道に投入された。4年間で水星を4105周し、地図の作成、地表の組成や磁場の調査などを行ってきた。極域に水の氷が存在することを確認したのもメッセンジャーの成果だ。

水星は太陽に近く、熱や宇宙線、重力の影響の面で探査が難しい。こうした点を克服したメッセンジャーは、工学的にも大きな成果を達成したミッションであった。

メッセンジャーから送られてきた最後の画像
メッセンジャーから送られてきた最後の画像(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington)

メッセンジャーが時速約1万4000kmで衝突した地点では、直径16mのクレーターが形成されたとみられている。露出したであろう地下の物質は格好の探査ターゲットとなるはずで、2016年度に打ち上げ予定のJAXAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)の共同プロジェクト「ベピ・コロンボ」探査機などによる詳しい観測が楽しみだ。

ちょうどこの5月上旬、水星が夕方の西の空に見えている。夕暮れの中に水星の輝きを見つけたら、メッセンジャーにも思いをはせてみよう。

5月上旬、夕方の西の空
5月上旬、夕方の西の空の高いところで金星がまぶしく輝き、低いところに水星が見えている。クリックで現象解説ページへ

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