小惑星レオーナによるベテルギウスの食、世界各地で観測

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史上初となる「小惑星によるベテルギウスの食」が予報された12日、世界各地で観測が行われた。赤色超巨星ベテルギウスの視直径が、その前を通過した小惑星レオーナの視直径を上回る「金環食」となった可能性が高い。

【2023年12月12日 星ナビ編集部

「星ナビ」の2023年10月号同12月号で紹介したように、日本時間12日(火)10時過ぎ、オリオン座の主星ベテルギウスが小惑星レオーナ((319) Leona)に隠されるという誰も見たことのない現象が起こりました。残念ながら日本では見られない現象でしたが、ベテルギウスを天文学的に研究するチャンスということもあって、食帯(掩蔽帯)下で多数の観測が行われました。

食帯(中央アジア~ヨーロッパ) 食帯(アメリカ)
ベテルギウス食が見られる地域。現象前に発表された予報図。赤い線が恒星食中心線、黄色の線が南北限界線。点線は誤差±2.6km(1σ)。それぞれ画像クリックで表示拡大(出典:星ナビ2023年12月号)

詳しい観測解析はまだですが、IOTA/EA(国際掩蔽観測者協会東アジア)の早水勉さんたち19名のチームはトルコのブルサ近郊を観測地とするも曇り、米・フロリダ半島へ出向いたチームも曇りで観測不成立との報告がありました。

一方、イタリアのサルデーニャ島のカリアリでは大月崇綱さんが「減光」を観測。スペインのコルドバへ遠征した星ナビ編集部観測隊も、薄雲が広がる中、連続静止画や動画を撮影したほか、肉眼での観察で「減光」を確認しました。

観測風景
スペインでの星ナビ編集部の観測の様子

ベテルギウスが減光し、再び明るくなる様子(撮影:星ナビ編集部)

IOTAのEuropean SectionはXで各地のアマチュアらによるライトカーブや観測動画を紹介しており、それらの情報から「減光」、つまりベテルギウスの視直径が、小惑星レオーナのそれよりも大きい「金環食」であったことが示唆されています。「星ナビ」では、2月号(1月5日発売)にて速報を紹介するほか、後日、詳しい解析の結果と考察を改めて掲載する予定です。(12月29日更新)

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