木星の衛星イオに新火山とみられるホットスポット

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探査機「ジュノー」による観測で、木星の衛星イオの南極付近にホットスポットが見つかった。これまで知られていなかった火山とみられている。

【2018年7月23日 NASA JPL

NASAの探査機「ジュノー」は、2016年7月4日に木星を周回する軌道に入って探査を開始した。53日周期の長い楕円軌道から木星の内部構造や大気、磁場などを調べており、これまでの2年にわたる航行距離は約2億3500万kmにも達している。

ジュノーは2017年12月16日に、赤外線オーロラマッピング装置「JIRAM」を使って木星の衛星イオを約47万kmの距離から観測した。そのデータから、イオの南極の近くに存在する新しいホットスポット(高温領域)が明らかになった。どうやら、これまでに見つかっていなかった火山とみられている。

「JIRAMが見つけた新たなホットスポットは、これまでに発見されている別のホットスポットから約300kmの距離に位置しています。既知のホットスポットが移動や変化したものだという可能性もないとは言えませんが、考えにくいことです」(伊・国立天体物理研究所 Alessandro Muraさん)。

イオのホットスポット
「ジュノー」の赤外線観測データから作成された画像。明るい部分ほど温度が高いことを表している。丸の部分が新たに見つかったホットスポットの位置(提供:NASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM)

木星系はNASAの探査機「ボイジャー」1号・2号をはじめ、「ガリレオ」や土星探査機「カッシーニ」、冥王星・外縁天体探査機「ニューホライズンズ」といったミッションや、地上からの観測によって詳しく調べられてきた。そうした探査によってイオにはすでに150個以上の火山の存在が確認されているが、未発見の火山もまだ250個ほどあると推測されている。

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